DarK side (ページ40)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:21,024 hit

40 ページ40

覆いかぶさっていた体を入れ替えて私が見下ろす形になった。
真っ直ぐに見透かすように、まるで脳内に何かを刻み込もうとする視線。
その視線から少しも目を逸らさず手に力を込めていくと、メイはそっと瞼を閉じた。
小さく息が漏れ、綺麗な顔のまま私と同じように口角が上がった時に愛おしすぎる程に手に力がこもる感覚が私にも分かった。
きっとメイも同じ気持ちだったのだろう。
その気持ちが分かった時に手の力を緩めると、ゆっくりとメイが目を開ける。

｢俺もAに飼われなきゃダメかな？｣

笑いながら抱き寄せられ、そっと包み込まれた。
愛おしい人となら死ぬ事も何も怖くない、その手で殺めれられたい。
これ以上の愛情は存在するのだろうか。

｢私もメイくんに首輪つけてあげないといけないね｣
｢じゃあ俺はリード付けてあげる｣
｢それ何か違うよー｣

ベッドから立ち上がってトイレに行こうとした時、リビングで何かに足を取られた。
電気を消しているせいで全く気付かなかったが、もしかしたらメイの物かもしれないと電気をつけて確認する。
暗い中にいたせいで急に明るくなった部屋に目を細め、目が慣れて足元を確認すると紙袋が倒れてしまっていた。