DarK side (ページ39)

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｢このまま殺したいくらい愛してる｣

手の力が緩むと呼吸が楽になり視界のぼやけがゆっくりと冴え、メイの顔がハッキリと見え始めた。
そして思考も回り始める。

｢メイくんになら殺されても怖くないけど｣
｢けど？｣
｢死ぬならメイくんと一緒に死にたい｣
｢どうしてそんなに俺の欲しい言葉ばっかりくれるの？｣

再び髪を掴まれて顔中に唇が何度も落とされ、首元に歯を立てられる。
甘噛みなんて可愛いものでは無く、痛みで顔を歪めるとメイは満足そうな顔で眺めていた。
確かに普通の人なら逃げ出してしまうだろう。
しかしこれはメイの愛情表現なのだと思うと全てを受け止める覚悟で側に居るのだから何も拒む理由なんて無い。
そもそも普通とは何なのだろう。
メイは勿論、私も異常なのだろうか？私はメイが発する言動は何も異常だと思わない。
歪んでいるという自覚はあるが私達にとってはこれが普通なのだ。
そう考えると普通は等と一般論に当てはめる事ほどバカバカしい事は無い。

｢よく耐えられたね｣

髪を撫でて噛んだ跡に優しく口付けされる。

｢耐えてないよ。メイくんの物だって印でしょ？だから嬉しい｣
｢そう言ってくれると思った｣
｢私もメイくんと同じ事をしたいくらい｣
｢いいよ。俺もAになら殺されても怖くない。最後に見れるのがAの顔ってだけで幸せだよ｣

嬉しそうに、そして少し照れたように言うと私の手を自らの首に持っていった。