DarK side (ページ38)

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顔を少し離すとメイは自分の唇を噛み血が滲み始める。
一体どうしたのだろうと見ていると、治りきっていない私の唇の傷に重ね合わせた。

｢俺の体の中にAの血が流れれば、ずっと一緒に居れる気がするし体とか心の繋がりじゃ足りない｣

狂気。人はそう言うかもしれないが素敵だと思った。
体の中にメイの血が流れる、これほど近くに存在を感じられる事が他にあるだろうか。
メイの顔を引き寄せ再び唇を合わせると口の中に独特の鉄の味が広がる。
傷が重なる事で血が流れ込むなんて、そんな簡単な物ではないとは分かっている。
しかし今の2人は混ざり合っていると信じていた。いや、信じたかった。

｢これでずっと一緒でしょ？離れたくても一生お互いがお互いの中を回り続けてる｣
｢うん。嬉しい｣

唇を割って舌が入り、深く絡めると首に手が添えられた。
そしてその手に少しずつ力が加わり始めると息が漏れ、頭がぼーっとしてくると同時に何とも言えない快感が体中を駆け巡る。

｢怖い？･･･怖くなさそうだね｣

返事は出来ないが私の表情や拒む様子も無い事から、含み笑いを浮かべながら嬉しそうに言った。
このまま意識を手放してしまうのか、もしくはこのまま死んでしまうのか。
そんな事どうでも良い。メイの手で殺められるなら何も怖くない。
そう考えると自然と私も口角が上がっていた。