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「一旦それは置いといてツアーの話に戻ろう」
一旦落ち着かせようとすると、また顔が険しくなった。
「俺と住みたくないなら住みたくないってハッキリ言ってよ。俺の事好きじゃない?」
「そんな訳ないよ。ただまず1つずつ片付けてゆっくり話して決めたいだけ」
「絶対?うやむやにしない?」
「うん。絶対」
言い切った後も少し不安そうな顔をしていたが何とか宥めてツアーの話へと軸を戻した。
だが、メイの瞼が段々と落ちている。
「Aもツアーに付いて来て」
「だからツアーは行くよ?休みは取ってるし」
「泊まり?」
「場所によるかなー。終わったらそのままバスの日もあるし」
「俺とずっと一緒に居てよー。どうせホテルは1人部屋だし移動も俺と一緒にしたらいいでしょー」
首元に顔をうずめて、まるで駄々をこねる子供のようだった。
顔のすぐそばにある髪からはシャンプーと香水が混ざったメイの香りがする
一体どれだけの人がこうしてメイを近くに感じた事があるのだろう。
定期的に考えてしまう
「無理でしょ。他のメンバーもスタッフさんも居るのに」
「大丈夫だよ」
「メイくんらしくない」
微睡んだ目で私を見上げた。
さらっと顔に落ちる髪をメイの耳に掛けながら髪を撫でる。
「えーどういうこと?」
「メンバーにスタッフにって男の人が多い所に私が居ても平気なの?」
「…それは困る」
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作者名:emilia | 作成日時:2017年9月19日 18時