30 ページ30
「そういえば、もうすぐツアー始まるから忙しくなるし会える時間が取れるか分かんないんだよね」
「え?ツアーは来週でしょ?」
「スタジオ行ったりリハーサルしたり色々あるの」
「そっか・・・でもライブは見に行くね」
「うん。2、3日は大丈夫だから今のうちに会っとかないと」
絡まる指、薬指にそっと柔らかい唇が触れる。
ずっとこのまま2人だけの世界に閉じこもりたい
見るもの触れるもの、全てがメイだけでいい。
ずっと思いを馳せていたからだろう。徐々に気持ちは強くなるばかりだ。
「ねぇA」
「ん?」
「ツアー中仕事休めないの?」
「ツアー中って1シーズン3ヶ月くらいだよね?」
「うん。でも丸々じゃないよ」
隣に寝転び、上目遣いで言われると無理だとは言い出しにくかった。
しかし現実的に仕事を頻繁に休むのが可能だとしても休んだ分だけ生活が苦しくなる事なんて想像するまでも無く明白だ。
「やっぱ無理?」
「完全に無理って訳ではないけど私も生活あるしなーって」
「そんなの大丈夫だよ」
不安そうな顔から急に笑顔で言われはしたが大丈夫なわけがない。
一体何を思っての発言なのか首をかしげた。
52人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:emilia | 作成日時:2017年9月19日 18時