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「もしもしっ」
「あ、ジュンちゃんちょっと聞きたいことがあるんだけど」

スピーカー越しに聞こえた声は間違いなく準々だった。
きっと私に本当だという事を証明しようとしているのだろう

「こないだ俺の車に置いてった芳香剤とかだけど、どこに売ってるの?」
「えー普通にドンキに売ってたけど、別に電話じゃなくてよくない?(笑)あ、ジュンちゃんと早くお話ししたくて我慢出来なかったとかかな??」
「今すぐ知りたかったんだよ。じゃあまたね」

準々が話し続けているのも構わず電話を切ると何事もなかったかのように、また車を走らせた。

「信じた?」
「はい。すっきりしました」
「でしょうね。顔が全然違うし」
「私めんどくさいですか?」
「全然。多分俺のほうが面倒くさいよ」

信号待ちで右手を掴まれる。
指を見ているというより多分右手の薬指に嵌められた指輪を見た後に私の目を見た。
これは誰かから貰った指輪なのか、と聞きたいのだろう。

「これは自分で買ったものですよ」
「そうなんだって言いたいけど外して?これからは俺があげる物以外付けないで。あ、あと他のも全部捨ててあげるね。」

にこやかに言い放つ言葉は普通ではなかなか出てこない物だろう。
しかし私は頷くだけだ。

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作者名:emilia | 作成日時:2017年9月19日 18時

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