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玄関を出ると腰に回される手
陽射しもピークを達して、すぐに汗が滲んでくる。

「メイくん、手繋ぐのじゃダメ?」
「え?」
「暑さに弱いから、これ以上暑くなると倒れそうです」
「弱すぎでしょ」

笑いながら腰から手を外すと指を絡めた。
これで少しは風が当たりそうだ。
メイは理由無く離れるのは嫌だけれど、ちゃんとした理由さえあれば応じてくれる事が分かった。
これが一方的だと多分私達の重苦しい愛情の形は脆く崩れ去ってしまうと思う。

この独占欲は、ただの押し付けでは無い。
意識せずにお互いがお互いの許容範囲を探り、反応を見てラインを決めているのだと思う。
そこを誤った時が問題だ。
気持ちがみるみる離れて行ってしまうか、そこまでして離したくないと思われていると共依存に走るかの二択でしかない。

「メイくんは優しいね」
「当たり前でしょ」

メイが遊びだったとしてもいい
一緒に居るときだけでも私にだけ愛をくれればそれでいい。
そう思う一方もしメイが私だけのものにならなかったら?
そこまでいって考えるのをやめた。
不安な気持ちに蓋をした。考えるだけ悲しくなるだけだ
不安な気持ちに気付くなと自分に言い聞かせる。

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作者名:emilia | 作成日時:2017年9月19日 18時

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