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「とりあえず今日は送ってく」
「え、もうですか?」
「ごめんね。仕事なんだ」

申しわけなさそうに頬を撫でる手に自分の手を重ねる。
今日は既に沢山の幸せを貰ったのだから謝られることなんて何も無い。

「分かりました。自分で帰れるので大丈夫ですよ」

頬を撫でていた手が止まったと同時にメイの目つきが少し変わった事に気付く。
一瞬張り詰めた空気が流れた。

「俺と一緒に居たいと思わない訳?」
「そんな事ないですよ。出来ることなら離れたくないです」
「じゃあ自分で帰るとか言わないで」

私の右手を掴む手に力が入った。
どうしてそんなに悲しそうな目をしているのだろう

「ごめんなさい。迷惑かと思って」

メイの気遣いを無駄にしてしまう発言だったと少し落ち込んだ顔をするとメイもハッとしていた。

「ごめん、俺こういうのがあるからダメなんだよ」
「私がメイくんの気遣いを無駄にしちゃったからですよ」
「本当にごめんね…」
「そんなに謝らないで下さい。それじゃメイくん、送って貰えますか?」

立ち上がって手を差し伸べると、笑顔で私の手を取った。
しっかりと繋がれた手
この手が離れる時はどうなるのだろう
既に私達はこの瞬間に切っても切れない関係になったのだと心のどこかで思っていた。
きっとそれはメイも同じだろう。

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作者名:emilia | 作成日時:2017年9月19日 18時

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