思い思われpart2

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座椅子があるものの１つしか無く避けるように床に腰を下ろした。
手持ち無沙汰と緊張でそわそわしてしまう。

｢そんなに見んなよ。何も無いけど｣
｢優さんっぽいです｣
｢てかいい加減、さん付けやめれば？｣
｢そんないきなり無理です｣
｢そんなもんかね？｣
｢普通は｣
｢ふーん。あ、メイク落としあるから使っていいよ。あと風呂も勝手に入って｣

さらりと言ったがそれは今日は泊まりという事だろう。
思わず変に深読みしてしまいそうな思考を抑えながら汗でベタベタして気持ち悪かった事もあり優の言葉に甘える事にした。
メイク落としがあるのも、さすがバンドマンと言った所だ。
メイクを落とし終えてシャワーを浴びると鬱々としていた気分が晴れてきた。
自然と溜息が漏れる。
浴室を出ると着替えが用意されいていた
着替えて部屋に戻ると優はビールを飲みながら野球を見ている。

｢優さん、着替えまでありがとうございます｣
｢はいよ｣

振り向くと私の顔を凝視している

｢え、なんですか…？｣
｢すっぴんの方がいい｣

思わぬ言葉に顔が赤らむのが分かり、タオルで顔を隠した。

｢別に隠さなくてもいいじゃん｣
｢優さんは良くても私はダメです｣
｢めんどくさ。俺も風呂入ってくる｣

すれ違いざまに私の髪をくしゃっと撫でて冷蔵庫から水を手渡すと、浴室へと向かって行った。

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