王子はいかが？ (ページ24)

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｢とりあえずお風呂入って来たら？｣
｢うん、そうするー｣

そうしないと私が変な嫉妬心で一樹に何か余計な事を言ってしまいそうだった。
こんなに自分が嫉妬してしまうなんて思わなかった。
ため息を付いてお風呂に入っている内に下ごしらえをしていた料理を完成させた。
こうして一樹にご飯を作るようになって、今まで自分で料理をしてきて良かったと初めて思える。

｢あーエビフライだー｣
｢うん。一樹が食べたいって言ってたから｣
｢覚えててくれたの？めっちゃ嬉しい｣
｢時間も遅いから胃もたれしないといいけど…｣
｢明日のライブはAが来るから、しっかり食べとかないといけないし大丈夫｣

こんなに細い体のどこに入るのだろうかと言うくらいに良く食べる。
だが美味しそうに食べる姿を見るのが一番の楽しみでもあったりする。
誰かと一緒に食事をする、それだけでも私にとっては新鮮なのだから幸せすぎて怖いくらいだ。

｢ごちそうさまでした！美味しかったー｣
｢おそまつさまでした｣

食器を下げて洗い始めると毎回一樹は隣に来て手伝ってくれる。
そんな心遣いが出来るのも一樹の魅力の1つだ。
本当にこんな人に出会えた私は幸せ者だと思う。