王子はいかが？ (ページ12)

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渋々着替えを済ませて鏡を見ると自分では首を傾げる結果だった。
カーテンを少し開けると一樹が帽子等の小物を手にしながら、こちらを向いた。

｢着替えた？見せて～｣
｢なんか微妙なんですけど…｣

カーテンをゆっくり開ける。
多分一樹も私と同じ反応をするだろうと考えたらあまり見せたくなかった。

｢おー可愛い！やっぱり似合うね｣
｢え？なんか微妙ですよ｣
｢俺がいいって言うからいいの。はい、小物も選んどいたよ｣

帽子を被せられベルトを付けられ更にアクセサリーまで着けられ、まるで着せかえ人形のようだった。

｢完璧だね｣
｢本当ですか？｣
｢うん、バッチリ。すみませーん、これ一式下さい。このまま着ていきます｣

一樹は店員に声を掛けるとレジへと向かっていった。
後ろを慌てて追いかけて一樹が財布を取り出す前にカードをレジに出す。

｢え？俺が出すよ！勝手に選んだんだから！｣
｢大丈夫。お金はあるから｣
｢でも…｣
｢1回でお願いします｣

一樹は複雑な顔をしていた。
ただ私は迷惑を掛けたくない一心だったが一樹にとってはそうでは無かったみたいだ
プレゼントなんてして貰った事が無かったせいで、そこら辺の気持ちが全く分かっていなかった。