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4話 ページ6
コンコン＿＿
上品で優しい、ノックの乾いた音が聞こえてきた。
静かに開いたドアからは外の音が漏れてくる。
放課後を告げるチャイムが鳴り、部活や家に向かう生徒の声で騒がしい廊下。
対比するように静かな保健室には1人の女生徒が踏み入ってくる。
3年生であろうか。
下の学年にはない落ち着いた雰囲気を醸し出す少女。
「何か保健室に用事？」
言い慣れた言葉を放つ。
少し頬を赤らめつつも彼女は口を開く。
「先生に相談したいことがあって...。」
保健室にはたくさんの生徒が訪れる。
そして彼女のように相談に訪れる生徒も少なからずいる。
「了解！相談ね〜。
とりあえずその辺の椅子にでも座ってくれる？」
慣れない保健室に少々戸惑いながらも言った通りに座ってくれる。
「早速なんだけど、何に悩んでるか教えてくれる？
あと名前も教えてね。」
「絢香です、成宮絢香。
実は最近、私の彼氏に好きな人がいるみたいで...。」
彼氏か...。
相談内容はいつも様々だが、その中で1番多いのが恋愛相談。
最近は彼氏どころか、好きな人さえいない私にそんなことを言われてもなーとか思いつつも答えを模索してきた。
「ちなみに、彼氏さんはこの学校の人？」
「はい。バレー部の及川徹なんですけど先生知ってますか？」
ん？
及川...？
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作者名：いち | 作成日時：2022年7月9日 15時
