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「・・・カナも彼氏がいたわけだけどさ、」
久しぶりに聞いたその名前にドキッとする。
「別に恋愛が悪いことじゃないのよ。
もちろんアイドルとしてわきまえなきゃいけないことはあるけど。
特にAは恋をして知ることもあるんじゃないかな、」
今まで見向きもしなかったことをいきなり選択肢に出されても。
私は。
「・・・・・・・・・しない、」
口を固くそう答えた私に本当に意固地だわ、と社長は頭を抱えた。
「まあ、強制している訳でもないし、しようと思って出来るもんでもないんだけどね・・・。
でも、もし好きって思える人がAにこれから現れたら。
その気持ちを大切にして欲しい。
Aのことは理解しているつもりだから、恋愛OKだからといって変なことする子じゃないって信じているし。
こんなこともちろんオフィシャルには言えないけど、Aの人を好きになる気持ちは応援したいって思うのよ。親として。
わかった?」
「・・・・・・・・・・・・。わかった、」
わかってなんてないくせに。
だって、そんな気持ち触れたことないんだもの。
誰にも見せまいと思っていた核の部分をぐりぐりとされたみたい。
もちろん、それを言われたからと恋愛をしたいだとか思うことはないけど、社長のその気持ちは受け止めなきゃいけないものだということだけは感じて、とりあえず返事だけはする。
恋、かあ・・・・・・。
空中を見て考えているうちに、目の前の唐揚げに目が止まる。
ぐ〜・・・・・・
……あ。
「お腹空いた・・・」
見てると、よだれがじゅるりと垂れてきて……。
バクッ・・・
「美味しい・・・」
我慢できずに箸を伸ばして口に運ぶ。
「まだ、Aには早いみたいね・・・」
社長が呆れたように笑っているのを横目に料理に手を伸ばした。____
【恋愛禁止か否か。完。】
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光海(プロフ) - このお話大好きで、何回も繰り返し読ませて貰ってます。もう続きは書かれないのでしょうか??ずっと待ってます!!! (2019年10月9日 13時) (レス) id: 018ced8ab0 (このIDを非表示/違反報告)
ちぴ(プロフ) - この作品面白くて大好きです!大変だと思いますが自分のペースで更新頑張ってください!あと1つだけお願いというか会話文のところ誰が発言してるかわかるようにしたらわかりやすいかなと思いました。偉そうなこと言ってすみません。 (2018年11月24日 23時) (レス) id: 874daa6282 (このIDを非表示/違反報告)
じゅり - めちゃめちゃ面白いです!大変だと思いますが頑張ってください!応援してます! (2018年10月24日 20時) (レス) id: b7d8534d12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きら | 作成日時:2018年10月21日 0時