【茅ヶ崎至】画面越しに甘いキスを【摂津万里】

１１げーむ ページ11

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「 わ、さんかくも〜らい！ 」




『 ＿＿＿人参、全部取られたんだけど 』








向かいの席に座った子が、

私の目の前に置かれたカレーから人参を全て奪った 。






「 ごめんな、人参取ってくる 」


カレーを盛り付けてくれた臣くんが眉を下げて愛想笑い 、









「 はい、Aこっちむけ 」






なんだかんだ言って私の右隣に座った至くんの声、


＿＿なに？ と言おうとして開いた口に






あむっ 、と＿＿＿人参だ 。









「 そんなに人参食べたいならやるよ 」




『 ＿＿ あのねぇ ＿＿＿！』






別に人参が格別好きではない、

カレーには人参が付き物だという私の常識が崩れただけ。









焦りでまだ飲み込めない人参が、甘くて 。







＿＿＿＿ ちょっと待ってよ、なんで平気な顔して









『 ＿＿＿＿＿＿＿＿スプーン洗おうか？ 』



「 必要なくね、落とした訳でもない 」









さらり、とファーストキス(間接キス)を


このゲーマーは奪っていったのだ。









「 至さん、スプーン変えてくださいよ 」






私の左隣の万里くんの声にも 「変える時間がムダ」と


余裕そうに笑われる 。









その間にも、万里くんのカレーから

三角の人参は減っていた 。









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．









『 う、もう帰らなきゃ＿＿ 』






談話室で留学生らしいシトロンさんの話を聞いていたら

いつのまにか夜も深まっていた。









「 こんな遅い時間だし、車だそうか？ 」



妖しく微笑む東さんに、思わず頷きそうになりながら首を振る




正直、車が楽なので。









「 んじゃ、俺送って来ますわ 」









＿＿ほら、立てよ？ と目が合うのは万里くん。









「 俺は課金すっから、カードを買うついでに 」


「 至さんわざとっすね 」









＿＿＿ こんなイケメンが私を好きだなんて、



そんなのはありえない話である 。









遊びなのかな、と思うと


胸が苦しくなるのはなんでだろうか




今日1日しか会ってない二人を見ると、


緊張してしまうことは








＿＿＿ 鈍感だったら、よかったのに。









私は、恋をしてしまっているようだ 。









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新作
半 年 限 定 王 子 様【向坂椋】

椋と誉が推しです

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