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嫉妬もたちまち惚れ薬 ページ5
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｢ 帽子屋さんってち、茅ヶ崎先輩ですか ｣
｢ アリスは僕と会ってから知らない男の名前ばかり ｣
とぼけるのもいい加減に、と言いたかったけれど
これも夢の中だからと私は言葉を飲み込んだ。
ドードー鳥は愉しそうに鳴いて私たちを見送る。
タイムリミットに間に合うように、と忠告をして。
｢ タイムリミットって 、｣
｢ アリスがアリスでいられる時間さ ｣
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＿＿
もう少しで森から抜けられるらしい 。
先程は木の幹の後ろから二人の男が現れて 、私になぞなぞを仕掛けてきた 。
彼らは身長も顔も服も声も同じな双子 。
卵でできた頭にはヒビが入っていて痛々しい。
この世界は気味が悪いほど不思議 。
森を抜ければ楽しいワンダーランドが見渡せる、と
帽子屋さんは言って、そろそろ紅茶を飲みたいと呟いている。
アリスがアリスでいられる時間 つまり
夢が覚めるまでってことかな、と考えながら
ワンダーランドの森を眺めていると見覚えのある姿。
｢ あ 、れ 、綴くん、！？ ｣
大学での後輩の綴くんがウサギ耳をつけている。
なんて愉快な夢だ、これは。
｢ A先輩！？ あー 、まじっすか ｣
兎の綴くんは隣に立つ帽子屋さんと私の顔を見て
何度か頷いた、なんだよ綴くん。
綴くんは懐中時計を見て 、少し笑って
｢ アリスを幸せにさせてあげてください ＿＿＿＿ 帽子屋さん ｣
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作者名：白城あろ
| 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月27日 21時
