第百八話 ページ12
俺は気づけば朝日に照らされていた
木の影で眠っていたのであろう血なまぐさい臭いと血だらけの忍び装束しか俺の頭には入ってこなかった
何があったのかあまり覚えていない
まだ頭がぼんやりとしており冷静に考えることが難しかった
鬼崎(俺は……)
傍には何百人もの兵士が倒れていた
俺は何があったのか必死に思い出そうとした
鬼崎「そうだ…」
三郎と勘右衛門の救出作戦で…
意識が無くなる前後のことがどうしても思い出せなかった
一先ず忍術学園に戻ることが最優先だが、全身の痛みと体力が回復していない為か立ち上がることで精一杯だった
森全体の気配を察知出来るように力を入れていたのでその分体力は限界を向かえていたのであろう
少し離れた所で足音がした
ドクシア城かドクヒテ城か…どちらにせよ俺はここにいると危険だった
この場所から動く体力が無かった
俺は昨日着ていたドクシア城の兵の服を着た
忍者とバレなければどうにかなると思ったからだ
俺は足音を聞き続けた
?「君は……?」
幸運なことにドクシア城の兵士だった
兵士「おーい!!こっちに生き残りがいるぞ!!!」
ほかにも仲間がいるのか大声で話す
兵士「大丈夫か?すごい怪我だな。とりあえず水を飲め」
兵士から差し出された水筒を握る
他人から貰うものを安易に口にしてはいけないが今水を飲まなければ死ぬような気がした
兵士「とりあえず、城に戻ろう!」
兵士が俺に手を差し伸べる
鬼崎「すまない…歩けないのだ」
兵士「何!?おぶって行こう。」
俺は兵士の背中に乗りドクシア城に向かった
昨日のような悲痛な叫びも刃物が交わる音もない
ただ静かな朝だった
鬼崎「戦は……?」
兵士「それが、この森に敵兵が入って行ったら全て倒されてな…苦しい戦況だったが、なんとか勝てたのだ」
兵士から安堵のため息が零れた
鬼崎「そうか……」
兵士「しかし、森に敵をおびき寄せることも、森に味方が居ることも知らなかったんだ…」
内密に行われた作戦なので困惑している兵もいるのだろう
兵士「なぜあそこで倒れていたのだ?」
鬼崎「それは…」
聞かれたくないことを聞かれてしまい言葉がつまる
鬼崎「敵が森に入っていくのを見て追いかけたんです……」
兵士「なるほど…お主が敵を倒したのか?」
笑い混じりに話す兵士
鬼崎「そんなわけないじゃないですか。」
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雅 - 良かったです!!!!感動しました!!!!🥹✨続きも気になりますんで、待ってまーす🤗✨🍀 (2022年5月23日 10時) (レス) @page17 id: 0a092a0524 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - これ面白いです!! 友情かー、良いなーーwww 続き待ってます (2022年3月6日 10時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:牙桜 | 作成日時:2021年12月13日 19時