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キュ、キュ、と、ワイングラスとトーションの擦れる音をひたすら手元に感じながら、ずっとAのことを考えていた。





部屋の前で別れた時の可愛い笑顔が、やたら脳裏に浮かんで。




なんでだろう?




いつもこんなんじゃないのに。




なんでこんなにも離れないんだ?








突然、カウンターの端に座っていた常連のパンさんに話しかけられてハッとした。







「テヒョン君、今日なんかボーッとしてるね。」





「これはただの、恋煩いなんでしょうか…」





「え?」







よくわからないけど、時計が気になったり、携帯が気になったりした。









___バリンッ。





「…っ失礼しましたあ〜………」





一生懸命磨いてピカピカにしたワイングラスを、今度は粉々にした。




その音に、お客さんの視線が集まる。


オーナーのナムジュンさんの視線も集まる。





「テヒョン、大丈夫か? あっおい、拾うな、」




何も考えずガラスの破片を手でかき集め、指にジワりと赤が滲んだ。





「あーバカ、ちょっと待ってろ。」






ナムジュンさんが何かを取りに行っている間、しゃがみこんだまま俺はまた、壁に掛かった時計を見上げていた。





A、そろそろバイト終わりだな。







「なんか気になってることでもあるのか?」




降ってきた声に、顔を上げる。








「パンさん。僕今日、変ですか?」




「君はいつも変だよ。」




「え?」




「まあ、君がそう感じてるなら、それはもう大変だよ。」







わからない。




Aが気になるんだ。




なんか胸がモヤモヤ、ザワザワ、していた。




さっきから気になる、ズボンのポッケの、携帯。




あろうことか、仕事中に俺はそれを取り出した。




特に通知なんかは、ない。








「誰かに連絡したいなら、今のうちだよ。」





ナムジュンさんは戻ってこない。





カウンター席に座っていたのは、パンさんだけだった。






その声を聞くなり、すみません、と言ってすぐにAに連絡を入れた。

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salt(プロフ) - さくらさん» 最高だなんて、、嬉しいです。 コメントありがとうございます(泣) 近々少しずつですが更新しますね(*´ `*) (2018年8月27日 15時) (レス) id: 6a7ebef088 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - う、うわあああ ぐくやばいです最高です、、更新楽しみにしてます!頑張ってください!! (2018年8月26日 12時) (レス) id: 4f509fd02c (このIDを非表示/違反報告)
salt(プロフ) - kimnaaさん» コメントありがとうございます! 可愛いぐうちゃんが書けてますでしょうか…! 応援のお言葉とってもうれしいです(泣) (2018年8月16日 14時) (レス) id: 6a7ebef088 (このIDを非表示/違反報告)
kimnaa(プロフ) - ぐぅちゃん可愛いですヽ(;▽;)展開が面白くて一気に読ませて頂きました!更新楽しみにしてますヽ(;▽;)ぐぅちゃん頑張れ〜〜 (2018年8月16日 7時) (レス) id: 36d5fb4cd3 (このIDを非表示/違反報告)
salt(プロフ) - みっきーさん» コメントありがとうございます! これからグクに頑張ってもらおうと思います! 是非応援お願いします(*´`*) (2018年8月16日 1時) (レス) id: 6a7ebef088 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:salt | 作成日時:2018年7月16日 1時

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