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お互い今日はもう授業はなく、ユギョムと大学の門を出る。
少し先に、仲よさげな男女の姿。
「あれ、Aヌナじゃん。隣、テヒョン先輩?だっけ?」
遠目でも、すぐにわかる。
目立つ2人。
なにやら楽しそうに話しながら、同じ方向に帰っていく。
帰る場所がほぼ同じだから、それは当然のことなのだけど。
「あの2人、付き合ってるって噂あるよね。まあ、美男に美女だし、そーゆう話が出るのもわかるけど。」
「あー、そうなんだ…」
例え噂であっても、ヌナとテヒョンイヒョンが付き合ってるとか。
全くいい気がしない。
ぼーっと前を歩く2人を見てると、
ヒョンがヌナの髪を触り、頭を撫で、とまあいつものスキンシップを発揮している。
ヌナも、可愛い顔で笑っちゃって。
くそ、と足元に転がってた小石を軽く蹴飛ばすと、ユギョムが笑った。
「やばいんじゃないの? そろそろ現状打破、しないと。」
「……わかってるよ。」
_________________________
"ぐう、ご飯まだだったら、食べにおいで。"
光った携帯の液晶に映し出された文面。
しばらく、睨めっこ。
今日はバイトもなければ、誰かとの約束もない。
この頃、必然的にヌナと2人きりになることに、今更ながら躊躇いが生まれて。
ヌナの部屋に自分から遊びに行くことも、しなくなった。
現状打破しろ、なんて、こないだユギョムに言われたばかりだけど。
また自分本意にヌナに触れてしまったりして、嫌われようものなら、もう耐えられないし。
あーでもない、こーでもない、と考えていると、
突然の、ヌナからの着信。
焦りすぎて、1コールで受け取ってしまった。
よぼせよー?と、端末越しの柔らかい声が耳を擽る。
決して低くなく、高すぎない、心地の良い声色。
「よぼせよ、ヌナ?」
『ふふ、こっちが早かったね。いつもカトクの返事、秒で返ってくるのに。珍しく遅いからかけちゃった。』
「あ、ごめんね……。」
いつもそんな秒で返してたんだ、僕。
恥ずかしい。
『ぐう、おいでよ。ご飯一緒に食べよう?』
「…うん、行くよ。行くから、待ってて。」
その柔らかな声の響きが、
あの優しい笑顔を連想させる雰囲気が、
一瞬にして頭を支配して。
さっきまでの躊躇いが、嘘のようにどこかに消えた。
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salt(プロフ) - さくらさん» 最高だなんて、、嬉しいです。 コメントありがとうございます(泣) 近々少しずつですが更新しますね(*´ `*) (2018年8月27日 15時) (レス) id: 6a7ebef088 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - う、うわあああ ぐくやばいです最高です、、更新楽しみにしてます!頑張ってください!! (2018年8月26日 12時) (レス) id: 4f509fd02c (このIDを非表示/違反報告)
salt(プロフ) - kimnaaさん» コメントありがとうございます! 可愛いぐうちゃんが書けてますでしょうか…! 応援のお言葉とってもうれしいです(泣) (2018年8月16日 14時) (レス) id: 6a7ebef088 (このIDを非表示/違反報告)
kimnaa(プロフ) - ぐぅちゃん可愛いですヽ(;▽;)展開が面白くて一気に読ませて頂きました!更新楽しみにしてますヽ(;▽;)ぐぅちゃん頑張れ〜〜 (2018年8月16日 7時) (レス) id: 36d5fb4cd3 (このIDを非表示/違反報告)
salt(プロフ) - みっきーさん» コメントありがとうございます! これからグクに頑張ってもらおうと思います! 是非応援お願いします(*´`*) (2018年8月16日 1時) (レス) id: 6a7ebef088 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:salt | 作成日時:2018年7月16日 1時