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「・・・それから、一人暮らししてる。」
錦戸くんは、複雑な表情をしていた。
「そっか。・・・それは、」
「“大変だったね。”とか、言わないで。」
思わず、零れた言葉。
「同情なんて、して欲しくない。」
「・・・。」
今優しくされたら、きっと甘えてしまう。
そして私は、馬鹿な女になってしまう。
きっと、貴方は分からないでしょう？
同情されたら最後、その優しさに甘えた私は、
悲劇のヒロインになってしまう。
だから、だから。
私は強さが欲しかった。
可愛くなくていい。強さがあればよかった。
強い女になりたかった。
.
「・・・だからか。」
「え？」
錦戸くんは、私の方を見てフッと笑った。
外はもう、すっかり暗くなっている。
「・・・“いい子”やったら、誰にも何も言われんもんな。」
前髪で少し隠れた、その透き通った瞳で覗かれたのか。
同情でもなく、憐れむわけでもなく、
彼の言葉は、ただの推測。
私は多分、錦戸くんが苦手だ。
中身を見抜く彼の言葉は、
薬であって毒であり、
彼は私を、愚かなマトリョーシカを、
救うことも殺すこともできる。
それに、気が付いてしまった。
.
「・・・帰るわ。」
「また明日。」
ばいばいと手を振り合う私達は、友達に見えるのだろうか。
彼と友達だったら、私は周りからどう思われるのだろうとか、
柄にもなく周りの目を気にしちゃって。
きっと、疲れてしまったんだ。
正直、錦戸くんが帰ってくれたことに少し安心していた。
これ以上彼の瞳で見透かされたら、
押さえている何かが溢れてしまいそうな気がした。
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なるせ*(プロフ) - 笹塚カナメさん» コメントありがとうございます!!共感していただけるのが作者としては一番嬉しいものです。感想ありがとうござました(*´▽｀*) (2018年5月16日 4時) (
レス) id: 7b25f3aafe (このIDを非表示/違反報告)
笹塚カナメ(プロフ) - 主人公の考え方、作者さんの表現力に感動いたしました。あっという間に読み終わってしまいました。これからも応援しております！ (2018年5月16日 2時) (レス) id: 180a39eeb3 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ*(プロフ) - うさたぬき。さん» コメントありがとうございます（ ´∀｀）ここから佳境ですので続きもぜひぜひご覧下さい(*´∀`*)ノ (2018年4月11日 22時) (レス) id: 91b64b0a9a (このIDを非表示/違反報告)
うさたぬき。 - 続きが気になります！更新頑張って下さい＾＾ (2018年4月11日 16時) (レス) id: e14d5f519c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なるせ* | 作成日時：2018年4月2日 19時
