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亮ちゃんがAと初めて目を合わせた瞬間、
亮ちゃんの顔の変化を見て、俺は悟った。
まぁ男の勘ってやつ？
“一目惚れ”っていう概念を俺は信じてる。
よく“雷に打たれた”とかそういう表現で表されるけど、
意外とあるんやないかなぁって思う。
そして亮ちゃんの場合、その対象がAだった。
だけど、別に焦りはしなかった。
根拠のない自信があったから。
むしろ、面白いと思ったぐらい。
だから亮ちゃんにわざと近付いて。同時にAにも近づけて。
これからの展開を楽しみにしとったんや。
亮ちゃんは俺とは正反対。
彼は本当に世間一般が言う“いい人”なんやと思う。
真面目で正直で素直で眩しくて。
俺が月なら彼は太陽。
俺は違う。
俺は、上手く生きようとしているだけ。
傍から見れば、最低と思われるんやろうけど。
せやけど、俺はこうして生きてきた。
それの、何が悪い。
.
最初にそれを感じたのは、5月。
3人でテスト勉強をした時。
寝てしまった俺を起こしたA。
瞳に映ったAの顔は、ひどく困惑していて。
可哀そうなくらい心の揺れが分かって。
慰めてあげなきゃと思うと同時に、
とても綺麗だと思った。
親のこと話したんかなって思って、鎌かけてみたらホンマにそうで驚いた。
それと同時に、何やろ・・・・今思えばあの感情は“焦り”だったのかもしれない。
あぁ、亮ちゃんに話すんやぁって。
Aの中で亮ちゃんに対する意識が、少なからずトクベツということで。
そのことにどこか落胆した。
思えばあの時が、俺のもんが俺だけのモノじゃなくなった瞬間なのかもしれない。
.
次は夏祭り。
俺をパシリに使ったくせに、いなくなった二人。
花火が終わってようやく現れた二人に不貞腐れながら嫌味を言うと、
二人は謝りながら、
＿＿＿平気な顔で嘘を付いた。
“どこ行ってたん？”
“坂の上の神社。”
“何で？”
“・・・花火綺麗に見えそうだから。”
なんて下手くそな嘘。
特に普段嘘を付きなれていない亮ちゃんは、笑ってしまうほど嘘がバレバレで。
だけど、一緒にAも嘘を付いていることに、
また一つ胸騒ぎを覚えた。
そんなに隠すような何かが。
隠さなければならないような何かが。
二人の間に起こったのか？
俺にはそれを知る方法はなかった。
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なるせ*(プロフ) - 笹塚カナメさん» コメントありがとうございます!!共感していただけるのが作者としては一番嬉しいものです。感想ありがとうござました(*´▽｀*) (2018年5月16日 4時) (
レス) id: 7b25f3aafe (このIDを非表示/違反報告)
笹塚カナメ(プロフ) - 主人公の考え方、作者さんの表現力に感動いたしました。あっという間に読み終わってしまいました。これからも応援しております！ (2018年5月16日 2時) (レス) id: 180a39eeb3 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ*(プロフ) - うさたぬき。さん» コメントありがとうございます（ ´∀｀）ここから佳境ですので続きもぜひぜひご覧下さい(*´∀`*)ノ (2018年4月11日 22時) (レス) id: 91b64b0a9a (このIDを非表示/違反報告)
うさたぬき。 - 続きが気になります！更新頑張って下さい＾＾ (2018年4月11日 16時) (レス) id: e14d5f519c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なるせ* | 作成日時：2018年4月2日 19時
