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8月。待ちに待った夏休み。
・・・とは言っても、補習で半分潰れるんだけどね。
私の通う学校は、“自称”進学校で。
中途半端に勉強を頑張ろうとしているせいか、
お盆前まで予定表には「夏季補習」の文字。
「全然休みないやーん。」
錦戸くんは、そう嘆いた。
・・・転校生には辛い現実だろう。きっと。
うだるような暑さの中、今日も登校した私。
席に座ると、後ろから声を掛けられた。
「・・・なぁなぁ、今日夏祭りあるってホント?」
「・・・あぁ、うん。本当。」
汗を拭きながら答えると、パァッと明るくなる顔。
・・・どうしてそんな喜んでるの?
若干引き気味の私。
「・・・別に、どこにでもあるような、普通の夏祭りだよ?」
「行こうや!!」
「え、やだ。」
「何で!?」
即答すると、信じられないって顔をされた。
いや、おかしいでしょ。
誘うの、私じゃないでしょ。
「なんか、予定あるん?」
いや、無いけど。
「浴衣無いん?」
いや、あるけど。
「誰かと先約束してるん？」
そんな友達いないし。
「寂しっ(笑)」
・・・おい(怒)
「じゃあ、ええやん。」
「よくない。」
行きたくないものは行きたくない。
だって私、そもそも人混み嫌いだし、
外は暑いし、蚊いるし、浴衣着るの面倒臭いし、
屋台の食べ物信用してないし、それにそれに・・・・・・・
「ええやん。ダメ?」
「行かない。」
「えぇー・・・。」
無駄だよ。無駄だからね。
もうその上目遣いにも、子犬の目にも騙されないから。
行く、行かないの押し問答を繰り返すこと数分。
「おはよー。・・・どうしたん?この険悪な雰囲気(笑)」
遅刻ギリギリでやってきた大倉。
瞬時に場の雰囲気を察知し、苦笑する。
「今日さ、夏祭りあるやろ？
それで、成瀬さんに一緒に行こうって誘ってるんやけど。」
・・・あ、大倉も行く？
錦戸くんが大倉を誘ったその瞬間、勝ったと思った。
だって大倉は、そういうお祭り行かない派だから。
お父さんの会社とつながりがある人が結構来るらしく(そりゃあ、地元だもん。)
“行ったら挨拶せなアカンからごめんなぁ”
って、甘ったるい声で断っていたのを現に私は昨年見ている。
・・・と思ったのに。
「ええなぁ、夏祭り。行こうや！」
・・・嘘でしょ！？
「え、去年断ってたじゃん！挨拶が面倒臭いって！！」
慌ててそう問いかけると、大倉はコクリと首を傾げた。
「・・・そんなん言うたっけ？」
絶対覚えてる、コイツ。
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なるせ*(プロフ) - 笹塚カナメさん» コメントありがとうございます!!共感していただけるのが作者としては一番嬉しいものです。感想ありがとうござました(*´▽｀*) (2018年5月16日 4時) (
レス) id: 7b25f3aafe (このIDを非表示/違反報告)
笹塚カナメ(プロフ) - 主人公の考え方、作者さんの表現力に感動いたしました。あっという間に読み終わってしまいました。これからも応援しております！ (2018年5月16日 2時) (レス) id: 180a39eeb3 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ*(プロフ) - うさたぬき。さん» コメントありがとうございます（ ´∀｀）ここから佳境ですので続きもぜひぜひご覧下さい(*´∀`*)ノ (2018年4月11日 22時) (レス) id: 91b64b0a9a (このIDを非表示/違反報告)
うさたぬき。 - 続きが気になります！更新頑張って下さい＾＾ (2018年4月11日 16時) (レス) id: e14d5f519c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なるせ* | 作成日時：2018年4月2日 19時
