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6月。突入した、梅雨のシーズン。
今日も雨だった。
面白くもない授業を眠気に耐えながら受け終わり、ようやく放課後。
部活に入っていない私は、早く帰ろうと、
同じく帰宅部の大倉に声を掛けた。
「・・・大倉、帰るよ。」
「Aから帰ろうなんてどうしたん？珍しいやん。」
「別に言わなくても一緒に帰るんでしょ。
・・・だから、諦めただけ。」
「・・・ふーん。」
面白そうに私を見る大倉。
何だその目は。何ニヤニヤ笑ってんの。
「・・・いいから、帰るよ。」
そう言ってふと、気が付いた。
「あれ？錦戸くんは？」
錦戸くんの姿が無い。
姿が無いだけで、荷物はあるから、
先に帰ってはいないと思うんだけど。
それに確か、錦戸くんも帰宅部だったはず。
その時、大倉が口を開いた。
「亮ちゃんなら呼び出されとったで。
・・・後輩の女の子に。」
体育館裏に行けば会えるんやない？雨やけど。
そう言って笑う大倉は、意地悪だ。
「・・・そ。」
別に、別に関係ない。
錦戸くんが誰と会おうと、誰と付き合おうと、
私が知ったところで何の意味もない。
だって錦戸くんは、所詮他人だもの。
だから、動揺なんてしない。
大倉は、私の顔を覗き込んだ。
「・・・亮ちゃんに、彼女出来たら寂しい？」
面白がっているのは明白で。
「そんなわけあるか。」
「悲しまんでええよ？俺がおるやん。」
「だから違うって。」
後ろからゆるりと抱きしめられる。
思わず苦笑した。
“俺がおるやん”なんて。
・・・そんな事、思ってもないくせに。
それに。
「その台詞、言うのは私にじゃないでしょ。」
後ろからフフッと笑った声が聞こえた。
・・・図星か。
そんな甘い台詞を甘い声で囁いて、
それで堕ちるのは、それで酔うのは、
私の何倍も可愛くて、
尻尾を振ってるだけの、従順な子犬みたいな女。
「・・・女の趣味、最悪。」
「・・・せやな。」
帰ってきたのは、肯定の言葉だった。
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なるせ*(プロフ) - 笹塚カナメさん» コメントありがとうございます!!共感していただけるのが作者としては一番嬉しいものです。感想ありがとうござました(*´▽｀*) (2018年5月16日 4時) (
レス) id: 7b25f3aafe (このIDを非表示/違反報告)
笹塚カナメ(プロフ) - 主人公の考え方、作者さんの表現力に感動いたしました。あっという間に読み終わってしまいました。これからも応援しております！ (2018年5月16日 2時) (レス) id: 180a39eeb3 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ*(プロフ) - うさたぬき。さん» コメントありがとうございます（ ´∀｀）ここから佳境ですので続きもぜひぜひご覧下さい(*´∀`*)ノ (2018年4月11日 22時) (レス) id: 91b64b0a9a (このIDを非表示/違反報告)
うさたぬき。 - 続きが気になります！更新頑張って下さい＾＾ (2018年4月11日 16時) (レス) id: e14d5f519c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なるせ* | 作成日時：2018年4月2日 19時
