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私は“普通”でよかったんだけど。
どうしてそうなってしまうんでしょうか。
神様、私に普通をください。
.
「・・・錦戸亮です。よろしくお願いします。」
色めき立つ教室。
恥ずかしそうに、はにかんだ笑顔を見せた転校生は、
誰がどう見ても男前。
「・・・俺と転校生どっちがイケメン？」
「転校生。」
「嘘やん・・・・。」
馬鹿な質問に即答すると、
あからさまにショックを受けている様子。
隣の席の大倉に冷たい目を向け、私は転校生の方に視線を戻した。
これで大倉への人気も分散して、私への敵対心も少しは減るのかなぁ。
なんてそんなことを頬杖付きながら考えて。
転校生の錦戸くんは、相変わらず爽やかな笑みを浮かべている。
すると。
「・・・じゃあ、席は大倉の後ろでいいか。」
・・・うん。まぁいい。百歩譲ってセーフ。
錦戸くんの席は私の左後ろ。
本当は、関わりが無いぐらい遠くの席でよかったんだけど。
私達の席は、窓際の一番後ろの席(錦戸くんが来るまでは)だったから。
まぁ仕方ないかなんて。
「うわー、錦戸くん俺の後ろかぁ。
俺のカッコよさが薄れてまう。・・・いや、逆に増幅する？」
「ヨカッタデスネー。」
自意識過剰な発言をする大倉に、全然思ってないことを言いながら、
私は、錦戸くんと出来れば話したくないなぁって思ってた。
.
なのに。
.
「・・・え。」
「よろしく。」
ニコッと、笑う錦戸くん。
・・・いや、待って待って待って。
「大倉の後ろ・・・・」
「あぁ、身長高いから後ろやと見えへんなぁって。」
「・・・・えぇ？」
錦戸くんは席に荷物を置くや否や、すぐに右隣り、
つまり私の後ろに席を動かして。
理屈は分からなくもないけど、でもやだやだ。
そんなの、・・・・ほらぁ。
ふと気が付けば、私に集まる女子の視線。
「・・・また嫌われてるぅ(笑)」
「笑うな大倉。」
・・・お前のせいでもあるのに。
「・・・え、嫌われてる？」
陰湿な言葉にきょとんとした顔をする錦戸くん。
あぁ、面倒くさい。
「・・・何、でもない、です。」
私はとりあえず上辺の笑顔を浮かべて、
すぐ前を向いた。
頼むから、頼むからこれ以上関わらないでくれ。
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なるせ*(プロフ) - 笹塚カナメさん» コメントありがとうございます!!共感していただけるのが作者としては一番嬉しいものです。感想ありがとうござました(*´▽｀*) (2018年5月16日 4時) (
レス) id: 7b25f3aafe (このIDを非表示/違反報告)
笹塚カナメ(プロフ) - 主人公の考え方、作者さんの表現力に感動いたしました。あっという間に読み終わってしまいました。これからも応援しております！ (2018年5月16日 2時) (レス) id: 180a39eeb3 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ*(プロフ) - うさたぬき。さん» コメントありがとうございます（ ´∀｀）ここから佳境ですので続きもぜひぜひご覧下さい(*´∀`*)ノ (2018年4月11日 22時) (レス) id: 91b64b0a9a (このIDを非表示/違反報告)
うさたぬき。 - 続きが気になります！更新頑張って下さい＾＾ (2018年4月11日 16時) (レス) id: e14d5f519c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なるせ* | 作成日時：2018年4月2日 19時
