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昔から嫌いなものが多かった。
食べ物、動物、運動、高所、
そして、人。
人自体が嫌いなわけではなく、
こういう奴嫌いだなっていうその種類が多いだけ。
仕事をしない奴、
うるさい奴、
正論を振りかざす奴、
自慢話ばかりする奴、
平気で裏切る奴。
こんな人間にはなりたくない。
そう思った私は、自分が嫌いな部分を塗りたくって。
出来たのは、上辺だけ綺麗に塗られた私。
皆の“好き”を平均化した、ただ普通の人間。
そのままで生きてたら、本当の自分を出すのが怖くなった。
本当の自分が分からなくなった。
理想の自分は、本当の自分とは程遠い。
だけど、この方が上手く生きていけた。
上手く、息が吸えた。
友達も沢山できた。
・・・なのに。
.
「・・・おはよう!A!!」
高校に入って、友達(女)がいなくなってしまったのは、
私に懐いたこの人畜無害な顔をした馬鹿のせい。
「・・・うざい。」
何を思ったのか、この男は入学した当初から私に引っ付いて来て、
「・・・なぁ、番号交換せえへん?」
「・・・友達になってもええ?」
「ご飯一緒に食べよう!」
コイツがただの“普通”の男だったらよかったかもしれない。
きっとからかわれる程度で済んだ。
だけどこいつは、この大倉忠義という男は、
残念ながら、顔が良かった。
顔がいい男=女子の憧れ
そんな男が、普通の冴えない女子に懐く。
そりゃあ、敵対心は女の方に向くわけで。
・・・お前のせいで、私の高校生ライフ滅茶苦茶。
溜息をつきながら青空を見上げた。
「・・・うざいとか、傷つくわぁ(笑)」
全然傷ついてない顔で笑う大倉。
笑った顔は確かに惚れ惚れするほど整っている。
きっと今考えていることは、今日の昼ごはんのこと。
購買部で買うパンを今日何にするか考えているはずで。
・・・この能天気め。
そりゃ努力はした。
大倉に嫌われる努力。
だけどこれだけ冷たくしてるのに、大倉は全然私の事嫌いにならないで、
逆に、
「Aの本性出てるとこ、結構好き(笑)」
・・・こいつホントに頭おかしい。
結局ずるずると引っ付いてくる大倉と1年間一緒に過ごした。
そして4月。私たちは2年生になった。
退屈、いや、予定外の高校生ライフは特に何も変わらない。
相変わらず女子の友達はいないし、
私の隣には今日も大倉が
・・・・って。
「聞いてもええかな、成瀬さん。」
もう一人、馬鹿が増えた。
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なるせ*(プロフ) - 笹塚カナメさん» コメントありがとうございます!!共感していただけるのが作者としては一番嬉しいものです。感想ありがとうござました(*´▽`*) (2018年5月16日 4時) (レス) id: 7b25f3aafe (このIDを非表示/違反報告)
笹塚カナメ(プロフ) - 主人公の考え方、作者さんの表現力に感動いたしました。あっという間に読み終わってしまいました。これからも応援しております! (2018年5月16日 2時) (レス) id: 180a39eeb3 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ*(プロフ) - うさたぬき。さん» コメントありがとうございます( ´∀`)ここから佳境ですので続きもぜひぜひご覧下さい(*´∀`*)ノ (2018年4月11日 22時) (レス) id: 91b64b0a9a (このIDを非表示/違反報告)
うさたぬき。 - 続きが気になります!更新頑張って下さい^^ (2018年4月11日 16時) (レス) id: e14d5f519c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なるせ* | 作成日時:2018年4月2日 19時