【H×H】氷姫は仰ぐ

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《オレはお前には会いたくない》


どのツラ下げて会えばいいのか分からねーし――とジンは言った。

その後のジンの話を要約すると、"会いたければハンターなんだから捕まえてみろ。ただし近付いたのが分かればトンズラかます"、とのこと。



ゴンの母親の情報を聞くことも出来たが、聞くことなくゴンは停止ボタンを押した。


「いいのか？｣
「うん｣
「でも、もしかしたら何か手がかりがあるかも知れないぜ｣
「ないよ、多分。勘だけど｣


ゴンは揺らがぬ瞳で、オレの母親はミトさん！――と断言した。ほんとに良い子だなぁ⋯⋯





「ゴハン食べよ！｣


ゴンがドアノブに手をかけた時、突然カセットレコーダーが勝手に動き出した。デッキにオーラが纏っている。


「!!」

『念でテープが巻き戻されてる!!』
「まさか現在!? どこかで!?」
「念をこめたんだよ、十年以上前に！ "停止ボタンを押したら巻き戻すよう"に!!」


停止させたはずのテープが念によって巻き戻され始めた。そして巻き戻しが完了すると、今度は録音ボタンが作動。音声を上書きして証拠隠滅を図るつもりらしい。

停止ボタンを押しても、コードを抜いても止まらない。デッキを壊そうとも試みたが傷一つ付かなかった。

甲斐なくテープは使い物にならなくなった。もちろんダビング用のテープも録音で上書きされていた。



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残された手がかりは指輪とROMカード。指輪はさて置き、ROMカードに目を向ける。何だこれは？と首を捻るA。


キルアがゴンとAに、ジョイステーション略称ジョイステというゲーム機専用のROM(ロム)カードだと説明する。


「お前ら本当にゲームやったことねーんだな」
『ゲームくらいやったことあるよ！ 機械には詳しくないけど』


今時珍しいと貶されたようで不満なAは、ぷくーっと頬を膨らませた。――えらく頭の頑丈な赤い帽子の髭おじさんが跳びはねるゲームならやったことあるもん。





さっそくネットで注文してジョイステを購入。
ソフトが空の状態でロムカードを差し込み、ジョイステを起動する。画面に表示されたゲーム名は――



「グリードアイランド」

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