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『あれ？ ここは？』
Aは木の幹に出来た空洞で寝ていた。キルアが運んでくれたのか。
手に堅く握っていた270番のプレートが昨日のことを鮮明に思い出させる。
『やっぱ夢じゃないか……』Aは静かに目を伏せた。
「はよ」
『おはよう、キルア』
外に出ると、樹の上からキルアが降りてきた。一晩中見張りをしてくれたのだろうか＿＿聞くと、二、三日寝なくても平気だからとキルアは答えた。
「さて！オレもAも六点分集まったし。残り四日はあるけど、どうする？」
『プレートを守りつつ、スタート地点に向かいながら暇を潰す』
「おっけー、んじゃ行くか！」
『あ、ちょっと待って。ウィッグ被るから』
「……ちぇっ、戻すのかよ。被ってない方が良いのに」
『うーん、一応ね』
「それなら、このことはオレとAだけの秘密だぜ。ゴンにも言うなよ！」
『約束ね』
Aとキルアは小さな約束を交わして歩きだした。
そういえば＿＿キルアが思い出したように口を開いた。
「この試験って受験生一人ずつに試験官がついてるだろ」
『キルア気付いてたんだ』
「当たり前。でも、何でAにはついてないんだ」
『何でだろ？途中からいなくなってた』
「マジか」
Aはさらりと嘘を吐いた。
きっとユズリハが私を連れ去るために邪魔者を処分したんだろう。体制を整える準備期間。二日間姿を消していたのも頷ける。
「てか、A意外とすげぇよな。外にオレについてこれる女がいるなんて知らなかったぜ」
『へへん、すごいでしょー！私はやれば出来る子なんだから！』
「ほんっと、一次試験で落ちると思ってたのになぁ」
『キルア、地味に悪口言うなぁ。まぁ良いけど』
「ここまで来たし最終試験も一緒に合格しようぜ」
『うん！』
.
ボーーッ＿＿ゼビル島に近付く船の汽笛。一週間はあっという間に過ぎてしまった。
「ただ今をもちまして第四次試験は終了となります。受験生のみなさんすみやかにスタート地点へお戻り下さい。これより一時間を帰還猶予時間とさせていただきます。それまでに戻られない方は全て不合格とみなしますので御注意下さい」
「A行こうぜ」
四次試験中、キルアが一緒にいてくれて良かった。おかげで寂しさが紛れた……
『ありがとう』
「？、何か言ったか？」
『ううん、何でもない！』
Aはキルアの少しだけ後ろをついて歩く。
＿＿いつか
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冬瀬(プロフ) - 作者です。誤字等、まとめて修正しました。 (2022年3月5日 9時) (
レス) id: 033bbfc38e (このIDを非表示/違反報告)
冬瀬(プロフ) - 妄想癖さん» 質問ありがとうございます！光の加減で、白色(限りなく無色透明)に見えるイメージです(言葉にしがたい)。光の反射とかで頭皮は見えないはず 笑。。「宝石の国」のキャラクター達みたいな感じです(気になる方は調べてみて) (2021年2月16日 13時) (レス) id: d80ecf15a6 (このIDを非表示/違反報告)
妄想癖(プロフ) - 無色透明ってことは禿げて見えるんですか？！ (2021年2月8日 0時) (レス) id: 36f953a85d (このIDを非表示/違反報告)
冬瀬(プロフ) - 作者です。ちまちま修正中。 (2020年2月27日 23時) (レス) id: d80ecf15a6 (このIDを非表示/違反報告)
しらほ(プロフ) - フォスさん» きっとトプ画のことですね？？多分。一言添えていますがトプ画は雪兎様に描いて頂きました。とても可愛いですよね！！ (2019年2月24日 23時) (レス) id: 5f12e77188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬瀬 | 作成日時：2018年8月15日 19時
