2nd ページ12
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「ゴン、お前よくここまでたどり着いたな」
キルアの問いに、ゴンはレオリオのつけている香水の匂いをたどったと答える。Aはゴンの犬並みの嗅覚に感心する。
彼曰はく、レオリオのオーデコロンは独特の匂いらしい。
「Aの匂いも分かるよ!」
そうなの?__自分で匂いを嗅いでみる、が、分からない。
「Aは植物の匂いがする」
『なるほど!』
Aは鞄の中から香草を出して見せた。ゴンは瞳をキラキラと輝かせる。
『香草以外に薬草もあるよ。結構便利なんだ』
「くじら島にも色んな植物が生えてたけど、見たことないのがいっぱいある!」
『くじら島?』
「うん! オレの故郷なんだ!」
ゴンとAの話が弾む。キルアはその輪に入りきれずにいた。羨ましいなんて思ってはいけない。そう思い込ませて。
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十二時ちょうど、ギギッと音がしながら扉が開いた。中にいたのはセクシーな女性と大柄な男性。女はメンチ、男がブハラと名乗った。彼らが二次試験担当官だ。
試験内容は料理。試験官がそれぞれ提示する課題料理で、彼らを満足させることが合格条件。
まず、ブハラが出した課題は豚の丸焼き。森林公園内に生息する豚であれば種類は自由と付け加えた。
「それじゃ、二次試験スタート!!」
受験生148人が合図とともに森に向かった。その勢いに押し流されたAは、いつの間にかキルア達とはぐれてしまった。
大人達に比べ特段背の低いAは人混みで前が見通せない。そこで木々の間を跳びながら進んでいく。
ビスカ森林公園。この森に生息する豚はたった一種類。しかも世界で最も狂暴な豚であるグレイトスタンプだったっけ……
『見ーっけ!』
大量の豚、そしてその豚に追いかけられているキルア達。
グレイトスタンプの弱点は、額!!
Aは木の上から豚の額に跳び蹴りを食らわした。
『Aちゃん参上! なんちゃって』
「わぁ! Aかっこいい!」
『ありがと、ゴン』
ゴンに向かってパチリとウインクする。横にいたキルアがAの仕留めた豚を蹴った。豚の上から滑り落ちるA。意外と痛い。
「だっせー」
『え? キルアも丸焼きになりたいって?』
「はーん、できるもんならやってみろよ」
いがみ合うキルアとA。
「二人とも、喧嘩してる暇はないようだぞ」
『クラピカ!』
豚を倒し終え、声をかけてきたクラピカ。Aがクラピカの後ろに回って服にしがみつくと、キルアは不満そうに顔をしかめた。
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冬瀬(プロフ) - 作者です。誤字等、まとめて修正しました。 (2022年3月5日 9時) (レス) id: 033bbfc38e (このIDを非表示/違反報告)
冬瀬(プロフ) - 妄想癖さん» 質問ありがとうございます!光の加減で、白色(限りなく無色透明)に見えるイメージです(言葉にしがたい)。光の反射とかで頭皮は見えないはず 笑。。「宝石の国」のキャラクター達みたいな感じです(気になる方は調べてみて) (2021年2月16日 13時) (レス) id: d80ecf15a6 (このIDを非表示/違反報告)
妄想癖(プロフ) - 無色透明ってことは禿げて見えるんですか?! (2021年2月8日 0時) (レス) id: 36f953a85d (このIDを非表示/違反報告)
冬瀬(プロフ) - 作者です。ちまちま修正中。 (2020年2月27日 23時) (レス) id: d80ecf15a6 (このIDを非表示/違反報告)
しらほ(プロフ) - フォスさん» きっとトプ画のことですね??多分。一言添えていますがトプ画は雪兎様に描いて頂きました。とても可愛いですよね!! (2019年2月24日 23時) (レス) id: 5f12e77188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬瀬 | 作成日時:2018年8月15日 19時