¢。１４６。¢ ページ7
.
あっという間に、市内のお嬢様私立の制服を着た、
綺麗な女の子たちに囲まれてしまった大野くんは
矢継ぎ早に繰り出される質問に必死に抗おうとしているけど
その勢いに負けて、全然聞き入れてもらえないみたい。
.
「ヤバい、超カッコいいんだけど！」
「このあと一緒に回りませんかぁ。案内してくださいよぉ♡」
智「まじ勘弁して。俺、いま仕事中だから」
「やぁ〜ん♡声までイケメン♡」
.
女の子たちにぎゅうぎゅうと押されるように
取り囲まれた大野くんは、廊下の隅に追いやられて
その輪から完全に弾き出された私は
どうしたらいいのか、しばらくその様子を窺っていたけど…
ここでこのまま大野くんが解放されるのを待っているのも何だし、
ていうか、解放される様子もなさそうだし
巡回くらいひとりでも大丈夫かなって
大野くんを残して、静かにその場を離れた。
.
.
その後も特に問題もなく、
巡回の交代の時間も、もうすぐで…
ひとりでもちゃんとできてよかったなって
自分のクラスへ戻ろうと踵を返した、その時
立ち入り禁止の、屋上へと続く階段に
男の子がひとり、すっ…と入っていくのが見えて…
.
.
…どう、しよう。
でも、入っちゃダメなところだし
一瞬見えただけだけど
そんなに怖そうな人でもなかったし
…私でも、大丈夫かなって
ちょっと注意するだけだしって
怖気づきそうになる気持ちを抑えて
屋上へと続く、その階段に
足をのせた
.
.
.
踊り場まで上りきって
手すりのところから、そぉっと顔を覗かせると
階段の最上段に腰掛けて、その男の子はゲームをやっていた。
そんなに身体は大きくないし、
真っ白な肌は、とても強そうには見えなかったし
今はつむじしか見えないけど
染めていない真っ黒な髪の毛は、きっと真面目な証だろうから…
.
これなら私でも大丈夫かなって
胸を撫で下ろして
ふぅ…って深く息を吐き出すと
自分に喝を入れるために、両手をぎゅっと握りしめて
そっと踊り場に足をのせて、その人のつむじに向かって話しかけた。
.
.
「…・・ぁ、あの、」
「……」
「……ここ、…立ち入り禁止、…なん、です、」
「……」
「…だ、から、…、、」
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1560人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハルキ(プロフ) - しずくさん» しずくさん、コメントありがとうございます。私もあのお二人が大好きで、他にもタイトルお借りしちゃってるお話がいくつかあります(^^; いいですよねぇ、彼らの音楽...。今このお話しは休止中ですが、別のお話が完結したら戻って来ます。そしたら是非遊びに来て下さい。 (2020年5月7日 0時) (
レス) id: dcc28921ba (このIDを非表示/違反報告)
しずく(プロフ) - 初めまして。題名に惹き付けられ(歌ってる二人組が大好きなので)読みだしたら止まらず一揆に読まさせて頂きました。こちらのお話の続きを読みたいです！首を長くして待っていますのでよろしくお願いします。 (2020年4月14日 23時) (レス) id: 9da94b7189 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - こんにちは。このお話、何度読んでも好きです。このお話の先をずーっとずーっと待ってます。いつか続きを読ませて下さいね。楽しみにしてます。 (2017年12月12日 9時) (レス) id: b1ca40d54c (このIDを非表示/違反報告)
yumi(プロフ) - この作品大好きなんです。何時までも待っているので、ぜひ続けて下さい。お願いします。 (2016年12月9日 22時) (レス) id: 50e5f43973 (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ(プロフ) - しほさん» しほさん、ありがとうございます(*´ω｀)♪このお話が占ツクでいちばん好き、と言っていただけるなんて、もう嬉しいやら申し訳ないやらです。。。更新再開したら、お待たせした分ふたりを思いきりイチャイチャさせようと思いますので、楽しみにしてお待ちくださいね。 (2016年6月19日 10時) (レス) id: b6e2b0db31 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ハルキ
| 作成日時：2015年9月15日 8時
