¢。１８２。¢ ページ43
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「…‥、送ってくれて、…ありがとう」
智「んーん。それより、…ひとりで、大丈夫？」
「…うん。いつもだもん。平気」
智「…‥夕飯も、ひとりで食うの？」
「…、結構気楽なんだよ？好きなもの食べられるし」
智「……」
「…テレビ観ながらでも、少しくらいお行儀悪くても怒られないし」
智「…、そっ、か」
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たぶん、大野くんのお家は
いつもお母さんのあったかいご飯が待っていて
みんなの賑やかな会話が、テーブルに溢れているんだろう。
強がってるわけじゃないけど、つらつらと言い訳がましく言葉を並べる私は
いつもより少し饒舌になっていて
それが緊張のせいだなんて、自分でも気づいていなかった。
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気まずい沈黙が、落ちる。
大野くんもなぜか何も喋らなくて
どこかそわそわしてるようにも見えて
その瞳は落ち着きなく、地面の上を往ったり来たりしてる。
私は、ドクドクと暴れ回る心臓を何とか抑え込もうと
気づかれないように、何度も何度も深呼吸して
この関係が壊れてしまうかもしれない怖さから
思わず竦みそうになる脚を、何とか踏ん張って
俯いて、ぎゅ…っと目を瞑ると
きのうの夜、何度も布団の中で反芻した台詞を
頭の中に思い浮かべたら…
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智「…‥、あの、さ、」
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私より、一瞬だけ早く口を開いた大野くんの声に
弾かれるように顔を上げて
その表情を、思わずじっと見つめた。
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手にしていた鞄を徐に漁り出した大野くんは
そこから一冊の本を取り出して
でもそれが何なのか、
私にはまったく見当もつかなくて…
それを、そ…っと私に差し出した大野くんは
照れ隠しなのか、むっと唇を尖らせて
だけどその目は、少しだけ
自信なさげに、…迷いを浮かべて揺れていた。
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智「…‥勝手に撮ってんじゃねぇよって、…思われんの怖くて、」
「……」
智「…今まで、…・・渡せなかったんだけど」
「……」
智「…でも、…結構いい写真も、いっぱいあって、」
「……」
智「…‥Aちゃんに、…見せたかった、から…」
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私が本だと思った、それは
彼の透きとおった瞳を通して写し出された、
私たちが過ごした半年間が詰まった、…アルバムだった。
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ハルキ(プロフ) - しずくさん» しずくさん、コメントありがとうございます。私もあのお二人が大好きで、他にもタイトルお借りしちゃってるお話がいくつかあります(^^; いいですよねぇ、彼らの音楽...。今このお話しは休止中ですが、別のお話が完結したら戻って来ます。そしたら是非遊びに来て下さい。 (2020年5月7日 0時) (
レス) id: dcc28921ba (このIDを非表示/違反報告)
しずく(プロフ) - 初めまして。題名に惹き付けられ(歌ってる二人組が大好きなので)読みだしたら止まらず一揆に読まさせて頂きました。こちらのお話の続きを読みたいです！首を長くして待っていますのでよろしくお願いします。 (2020年4月14日 23時) (レス) id: 9da94b7189 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - こんにちは。このお話、何度読んでも好きです。このお話の先をずーっとずーっと待ってます。いつか続きを読ませて下さいね。楽しみにしてます。 (2017年12月12日 9時) (レス) id: b1ca40d54c (このIDを非表示/違反報告)
yumi(プロフ) - この作品大好きなんです。何時までも待っているので、ぜひ続けて下さい。お願いします。 (2016年12月9日 22時) (レス) id: 50e5f43973 (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ(プロフ) - しほさん» しほさん、ありがとうございます(*´ω｀)♪このお話が占ツクでいちばん好き、と言っていただけるなんて、もう嬉しいやら申し訳ないやらです。。。更新再開したら、お待たせした分ふたりを思いきりイチャイチャさせようと思いますので、楽しみにしてお待ちくださいね。 (2016年6月19日 10時) (レス) id: b6e2b0db31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルキ
| 作成日時：2015年9月15日 8時
