¢。１３７。¢ ページ47
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ほんの一瞬の出来事に
何が起こっているのかわからなくて
いま、私の目に映っているのは
大野くんの肩越しに見える、通い慣れた校舎
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背中に回された、その手は
たどたどしく、居場所を探すように彷徨っていたけど
深く、大きく…
耳元で、大野くんが息を吐き出すのが聞こえたら
ぎゅぅぅぅ…って
まるで腕の中の存在を確かめるように
その手に、力が込められるのが伝わった
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智「……よかった」
「……」
智「…Aちゃん、…なんも、なくて」
「…、」
智「…ＬＩＮＥしても、…全然既読になんねぇから、」
「……」
智「…何かあったんじゃねぇかって、…俺、すっげぇ後悔して、」
「…、、」
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そう耳元で囁く、大野くんの声は
いつもの、ふにゃふにゃした感じじゃなくて
聞き慣れない、少しハスキーな低音が
私の知らない男の人みたいで、ドキドキして…
そしたら、大野くんの胸からも
トクン…、トクン…って鼓動が聞こえるから
それがすごく愛しくて
私の鼓動も、この愛しさをのせて伝わればいいのにって
優しいけど力強い、大野くんの腕の中で
そんなことを考えていたら
私を抱き留める、その胸の温かさに
背中に回された手の、その逞しさに
張り詰めていた心が、ほろほろと緩んだ
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智「…・・ごめんね」
「…、っ」
智「……Aちゃん、…なんも悪くないのに」
「…・・、」
智「…あんなこと言って、…ごめん」
「…、っふ、ぅ…っ」
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今日何度目かの涙が
また、溢れ出して
苦しくなる嗚咽に、酸素を得ようと息を吸う度
鼻腔をくすぐるのは
大野くんの、甘いマスカットの香り
それが胸をいっぱいに満たすから
ますます涙は止まらなくて
どんどん胸は、苦しくなって…
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だらしなく身体の横に垂れ下がっていた、
震える両手を、宙に浮かすと
少し、躊躇いもあったけど…
思っていたよりもずっと広い大野くんの背中に
恐る恐る、手を回して
ぎゅ…って、力を込めたら…
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耳元で、ふふって小さく笑った大野くんは
もう一度、深く息を吐き出して…
わかってるよって
まるで呼応するように
強く強く、抱きしめ返してくれた
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ハルキ(プロフ) - カピバラさん» カピバラさん、初めまして(*´ω｀)♪このお話を読んでくださってありがとうございます。もう少しで移行できそうなので、今しばらくお待ちくださいね。いつもお待たせして申し訳ありません(>_<) (2015年9月13日 22時) (
レス) id: b6e2b0db31 (このIDを非表示/違反報告)
カピバラ - 私、このお話大好きです！！いつも新しいお話が書いてないかわくわくして待ってます！！キュンキュンさせてください！！ (2015年9月9日 21時) (レス) id: 22c6847158 (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ(プロフ) - るかさん» るかちゃん、いつもありがとう(*´ω｀)♪暗い夜道をひとりで歩いたら危ないよ！なるべく明るい道を通って帰ってね(←母親気分) そして次章からもﾄﾞｷﾄﾞｷｷｭﾝｷｭﾝがお届けできるように、おばちゃん頑張ります(笑) (2015年8月29日 17時) (レス) id: b6e2b0db31 (このIDを非表示/違反報告)
るか(プロフ) - こんなにも心を動かされる小説を見れて、私は幸せでございます。いろいろと頑張ってください笑 freestyle買えましたよ笑うふふふ (2015年8月23日 8時) (レス) id: 8eaa22d047 (このIDを非表示/違反報告)
るか(プロフ) - こんばんわ、るかでごさいます。ハルキ先生!!今回もどきどききゅんきゅんなお話をどうもありがとうございますです!!!!バイト帰りの癒しになりました!!!!一人暗い夜道をニヤニヤしながらたぶん読んでました笑誰か人に見られたら変質者あつかいされそうだなこりゃ笑 (2015年8月22日 22時) (レス) id: 8eaa22d047 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルキ
| 作成日時：2015年3月2日 14時
