¢。１２７。¢ ページ37
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眞白ちゃんは、何かを縋るように大野くんを見つめて
大野くんは、その目から逃げるように手元のサッカーボールを見つめて
そんなふたりの姿を
もうだいぶ傾いてしまった夕陽が、静かに照らす。
その沈黙の間を縫うように
楽しそうな生徒たちの笑い声が響き渡って
私たちのいる、体育倉庫の前だけが
まるで時間が止まってしまったように
静かに、夕闇に包まれ始めてた
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「…大野くん、」
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どうしたらいいのかなんて、わからなかった。
わからなかったけど…
大野くんは、眞白ちゃんが好きで
眞白ちゃんも、どんな形であれ、大野くんを必要としていて
まるで何かを迷っているような、
いつもとどこか様子の違う大野くんの
背中を押せたらいいなって…、そう思ったの
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「…あとは、…私、やっておくから、」
智「……」
「……眞白ちゃんと、行ってあげて？」
智「……」
「…ね？」
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私の、その声に
ようやく顔を上げた大野くんは
何故か泣きそうな顔で、私を見つめて…
その目は、何かを私に訴えかけていたけど
私にはそれが何を意味しているのか解らなくて
良かれと思って発した、その言葉が
大野くんの固めた決心を揺るがせていたなんて
だってそんなこと、夢にも思わなかったの
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智「……どうして、…んなこと言うの」
「…、」
智「…Aちゃん、ひとりじゃできねぇじゃん、こんなの」
「…で、できるもん、」
智「……」
「……大丈夫だから。…ね？」
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諭すように大野くんを見つめたら
大野くんは、ひどく傷ついたような顔をして…
もう一度、サッカーボールに視線を落とすと
吐き捨てるように、言い放った。
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智「……んだよ、」
「…、」
智「なんでAちゃんまでそんなこと言うんだよ」
「…だっ、て、」
智「わかったよ。行けばいんだろ？」
「、大野く、」
智「もういい。なんも聞きたくない」
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そう言って歩き出した大野くんの背中を
ごめんねって私に呟いた、眞白ちゃんが追いかける。
そんなふたりの背中を、呆然と見送っていたら…
頬を伝った涙が
夕闇に染まり始めた地面を、ぽつりと濡らした
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ハルキ(プロフ) - カピバラさん» カピバラさん、初めまして(*´ω｀)♪このお話を読んでくださってありがとうございます。もう少しで移行できそうなので、今しばらくお待ちくださいね。いつもお待たせして申し訳ありません(>_<) (2015年9月13日 22時) (
レス) id: b6e2b0db31 (このIDを非表示/違反報告)
カピバラ - 私、このお話大好きです！！いつも新しいお話が書いてないかわくわくして待ってます！！キュンキュンさせてください！！ (2015年9月9日 21時) (レス) id: 22c6847158 (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ(プロフ) - るかさん» るかちゃん、いつもありがとう(*´ω｀)♪暗い夜道をひとりで歩いたら危ないよ！なるべく明るい道を通って帰ってね(←母親気分) そして次章からもﾄﾞｷﾄﾞｷｷｭﾝｷｭﾝがお届けできるように、おばちゃん頑張ります(笑) (2015年8月29日 17時) (レス) id: b6e2b0db31 (このIDを非表示/違反報告)
るか(プロフ) - こんなにも心を動かされる小説を見れて、私は幸せでございます。いろいろと頑張ってください笑 freestyle買えましたよ笑うふふふ (2015年8月23日 8時) (レス) id: 8eaa22d047 (このIDを非表示/違反報告)
るか(プロフ) - こんばんわ、るかでごさいます。ハルキ先生!!今回もどきどききゅんきゅんなお話をどうもありがとうございますです!!!!バイト帰りの癒しになりました!!!!一人暗い夜道をニヤニヤしながらたぶん読んでました笑誰か人に見られたら変質者あつかいされそうだなこりゃ笑 (2015年8月22日 22時) (レス) id: 8eaa22d047 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルキ
| 作成日時：2015年3月2日 14時
