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<9>ー先生喪失編 2ー ページ10

ドタバタドタバタ

ある平日の昼下がり。
ポート・マフィア内は騒ぎに溢れていた

「屋上は?!」
「既に確認済みだ!それより先生の車は?!」
「あった!誘拐じゃない限りまだ施設内に居る筈だ」

喪失した先生、基一月A。
『薔薇の罪』の異能を持つ者。

芥川「くそっ、先生の香りは残っていた!
拐われたとしても未だ遠くには行ってない筈だ!」

何人かが施設外に出て探しているが、目ぼしい情報は一つとして入ってこない。

太宰「…一体いつ...」
中也「昨日の夜、9時過ぎに俺が寝かせた。
それまでは確かに居た筈だ。」
紅葉「同時に行方を眩ませておる輩は居らんのかい?」
樋口「今調べさせているところです。」

……ポート・マフィアの五大幹部が頭を揃えて悩む

森「A君...何処に行ったんだろうか...
何か不安な事でもあったんだろうか...それとも...」

ぶつぶつと自己嫌悪になりだしたボス。
早くAを見つけ出さなければ…と云う考えがどんどん先走る。

ーピリリリッ ピリリリッ

森、否ボスの元に一本の電話。
発信者は…一月。

ガタガタッ!

森「い、一月!A君からだ!」

皆が素早く各自のパソコンに目をやった
耳に嵌められたヘッドフォンから聞こえてくるのは、聞きなれたAとは掛け離れた物だった

ーあーあー、聞こえてる?え〜っと...森?ー
森「誰だい。この携帯の持ち主は…」
ーあー、眠り姫の事かな?ぐっすり寝てるさ
あぁ、安心してくれ給え。彼女に手を出す趣味はない、今は、ねー

彼女、と云う単語に皆が眉を寄せる
一月Aは、正真正銘男だ。…見方によっては女に見えなくもない時もあったが...

森「何が望みだい?」
ー簡単さ。君達マフィアが潰した小規模組織の中に米玄と名乗るグループがあっただろう。ー

米玄
麻薬、重火器、その他諸々を横流した小規模組織。
それがポート・マフィアにバレて、蜂の巣。
そこから押収した物の中には物質が分からず、Aの元に流れてきた物も多かった。

森「あぁ、あったね。それがどうかしたかい?」
ーそこから押収した薬。返して貰おうかー
森「……」

珍しいことではない。答えも躊躇う必要はない。
答えは、NOだ。

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作者名:仮面の少年 x他1人 | 作成日時:2016年3月8日 23時

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