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エイプリルフール記念 ページ44

『好い天気だなぁ...』

久し振りに外に出た僕は、青天白日の今日に頬を緩ませた


森「あ、A君。好いところに居たね。
少しばかり時間をくれないかな?」
『首領。えぇ、大丈夫ですよ』

何かなぁ、何て考えながら首領の後に続く















こつん、こつんと嫌に響く靴の音が僕の思考を乱した

『(え、僕なんかしたかなぁ...いや、心当たりは無いんだけど、機嫌を損ねたとか何かかな)』

森「さぁ、入り給え」
『失礼いたします。御用件は何でしょうか』

森「まぁまぁ、お茶でも飲みながら話をしよう」
『…何か、好くないことですか?』


首領の、お茶を淹れる手が止まる。
顔にはいつものような笑みはなく、真剣そのものだった。

森「A君、今から問うのは何の確信もなければ、根拠もない、只の噂にすぎない。
だから怒らずに聞いてほしい」
『御意』

森「実は、ある下級構成員から気になることを云われてね。その内容と云うのが、君が研究材料である物資や、押収した物質を横流ししていると云うことなんだが…」

心臓が、握り潰される感じがした

ー誰がそんな事を?何のために?

真っ先に浮かんだ疑問がこれだ
僕は何もしていない。
そう思っても実際、心当たりはあった。


森「A君、大丈夫かい?顔色が優れないようだが」
『首領、実は最近変なことが起こるんです』
森「…変なこと、とは?」


首領が一瞬だけ、驚きの表情を浮かべた。
それには何か理由がある感じがしたけど、深くは追わなかった。

『最近、夜寝ている間に勝手に移動しているみたいなんです。

目が覚めたら、自分の部屋とは大分離れた場所に居たり、自分でも気付かない間に自分を傷付けていたり...

靴も履かずに外に居ることだってありました。
僕の様子を見たって云う人達は口を揃えて
[涙を流していた]と云うんです。』


首領が出してくれた御茶に手を付けること無く一気に話した


口内が、異常に渇くでもそんなのお構い無しに続ける

『一度は夢遊病じゃないかと疑い、自分なりに探ってみましたが、結果、違うと云うことが分かりました』
森「そうだったのか...すまないね。
暫く誰かと同室にすると良い。A君が移動しても良いし、誰かを部屋に泊まらせても良い」

兎に角、一人になら無いようにね

そう釘を刺され、部屋に戻った

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作者名:仮面の少年 x他1人 | 作成日時:2016年3月8日 23時

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