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『良いかい?抑研究と云うのは…』
と、長ったらしいAの熱弁が始まった。
流石の太宰も苦笑いを浮かべているのが分かる。
何気なくAから目を反らす。見えたのはAが熱心に研究をしていたフラスコ。
太宰「(おや...?さっきは透明だったはず...)」
『聞いているのかい?治くん』
太宰「センセ、あれ、さっき何色でしたか?」
少し躊躇しながらフラスコを指差した。
Aは口を止め、太宰の指差す先を見る
『透明…だったはず...か、変わってる!
何分?何分経った?色が変わって!!』
太宰「わ、わかりません...」
そう答えると『あぁ〜...』と膝を付くA
少しして力無く立ち上がるとノートを何かを書き始めた。覗くとどうやら実験結果を纏めるものらしい
・5/4 Hイオンを凝縮した後に火を近付けると壮大に爆発。
Hイオンを凝縮した物がもっと簡単に運び出せれば爆発物としての利用が可能になるだろう。
・5/6 密輸されていたものは有毒物と判定。
(Cuを主とした粉末の毒物)
5/14 死んだものの体からは即効性の睡眠薬と硫酸ナトリウムが検出された。
・
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色々記されている中に今日の日付が新たに加わった
3/9 新たに回ってきた物は処理をすれば無毒と判明。
しかし僕の観察ミスにより原料は不明。
(透明(石鹸水)→?→赤胴、の可能性から黴の可能性高)
『ぁ〜...折角反応したのに〜...』
太宰「まぁまぁ、これで実験は終わりですね?
外の空気、吸いに行きますよ?」
『え〜、僕ご飯食べなくても生きられるからいらないよー』
太宰「医者の不養生」
『僕は医者じゃなくて研究者です』
そう云って次のファイルにてを伸ばしたが、太宰にそれを阻まれた。
太宰「男同士の約束ですよ、センセ♪」
『清々しい笑顔だね、治くん。』
太宰「だって五大幹部より上を往く人がこんな細っぽちかったら私達もナメられてしまいますよ?」
そこまで聞いて、Aは目を見開いた。
自分が五大幹部の上を往く?まさか
そう、自分のなかで自分を卑屈したのだ。
だが、そんな卑屈の考えを太宰は見事に打ち破った
太宰「でもまぁ、私の異能があればそんな事無いでしょうけど」
『ピクッ))………』
その言葉に、Aの体が反応した。
先程のような可愛らしいものではなく、侮辱されたことに対する怒りからだろう。
『そんなに云うなら、僕と一戦どうだい?』
太宰「寝言は寝て云ってください
そうですね...芥川くんから一本奪れたら良いですよ」
『望むところだ』
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作者名:仮面の少年 x他1人 | 作成日時:2016年3月8日 23時