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中也「!戻ってきたのか?」
『時雨が仲直りしろって云うから』
中也「手前ぇは仲直りしたくねぇのかよ」
『そんなこと云うなら帰るけど』
席を立ったAを慌てて引き留める中也。
そんな様子は端から見れば微笑ましいのかもしれないが、そんなに和やかな空気は流れていない。
『じゃ、おちびさん、僕にも分かるような言葉で話してね』
中也「あ?!誰がおちびさんだよ!」
『自覚がないのってこんなに怖いものなんだね』
中也「ふざけんな!」
中々本題に入れない二人。
Aは早く話を終わらせたいようだが、中也は話に入るのが怖いようだ
「お待たせ致しました。カフェ・モカです」
『ありがとう。さて中也くん、僕がこれを飲み終わるまでに話を始め給え。なに、一気飲みするつもりはない。』
鞄からパソコンを取り出し文字を打っていく。
たまにパソコンを打つ手が珈琲カップに延び、珈琲がAの喉に流し込まれていく
その度に中也が何かを言い出そうとするが、何も言い出せない。
そんな焦れったい態度に嫌気が指したのかAがenter keyを少し強めに叩いた
『…あのさぁ、話が無いなら何でここに来たの?』
中也「話がない訳じゃねぇよ!」
『じゃぁ何なんだよ!!』
Aがここまで声を荒げたのことは滅多にない
中也「……お前は俺をどう思ってんだよ」
『は?どうって何?』
中也「俺はお前が好きなのに、お前が何考えてんのか分かんねぇんだよ」
今にも泣き出しそうな消え入りそうな声だった。
Aは一口分だけ残った珈琲カップを見つめる
『(これを飲めば帰れる。飲むだけじゃないか)』
そう思うのに手が延びない
躯はきっと分かってんだ。話を聞かなきゃって
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作者名:仮面の少年 x他1人 | 作成日時:2016年3月8日 23時