検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:92,624 hit

<24> ページ27

中也「!戻ってきたのか?」
『時雨が仲直りしろって云うから』
中也「手前ぇは仲直りしたくねぇのかよ」
『そんなこと云うなら帰るけど』

席を立ったAを慌てて引き留める中也。
そんな様子は端から見れば微笑ましいのかもしれないが、そんなに和やかな空気は流れていない。

『じゃ、おちびさん、僕にも分かるような言葉で話してね』
中也「あ?!誰がおちびさんだよ!」
『自覚がないのってこんなに怖いものなんだね』
中也「ふざけんな!」

中々本題に入れない二人。
Aは早く話を終わらせたいようだが、中也は話に入るのが怖いようだ

「お待たせ致しました。カフェ・モカです」
『ありがとう。さて中也くん、僕がこれを飲み終わるまでに話を始め給え。なに、一気飲みするつもりはない。』

鞄からパソコンを取り出し文字を打っていく。
たまにパソコンを打つ手が珈琲カップに延び、珈琲がAの喉に流し込まれていく

その度に中也が何かを言い出そうとするが、何も言い出せない。

そんな焦れったい態度に嫌気が指したのかAがenter keyを少し強めに叩いた

『…あのさぁ、話が無いなら何でここに来たの?』
中也「話がない訳じゃねぇよ!」
『じゃぁ何なんだよ!!』

Aがここまで声を荒げたのことは滅多にない

中也「……お前は俺をどう思ってんだよ」
『は?どうって何?』
中也「俺はお前が好きなのに、お前が何考えてんのか分かんねぇんだよ」

今にも泣き出しそうな消え入りそうな声だった。
Aは一口分だけ残った珈琲カップを見つめる

『(これを飲めば帰れる。飲むだけじゃないか)』

そう思うのに手が延びない
躯はきっと分かってんだ。話を聞かなきゃって

<25>→←<23>



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (60 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
79人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:仮面の少年 x他1人 | 作成日時:2016年3月8日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。