検索窓
今日:19 hit、昨日:2 hit、合計:92,641 hit

<12>ー先生喪失編5ー ページ13

太宰「分けれたよ。袋は?」
中也「焼却炉にいれて燃やせ。その前に全員マスク着けとけ」

は?!っと聞き返す太宰だが、Aと暮らす時間が一番長い中也。今は彼にしか分からないこともある。彼に、従うしかない。

ボッ

一瞬で灰になったビニール。
爛々と燃え盛る炎の中で、灰が踊っていた…

芥川「水、入りました」
中也「今からすげぇ臭いするけど、吐くなよ」

滅茶苦茶な忠告を残し、手にしていた酸性石鹸をドラム缶の中に流し込んだ。
中ではふつふつ、と不気味な音がなっている

すると、鉄の錆びた、いや、もっと云うならば“返り血を浴びた自身”の臭いが充満する

芥川「っ!」

芥川が咄嗟に口を手で覆った。当然だ。
まだ戦いにも血にも慣れていない彼には、
キツすぎる物だ。
太宰や中也でさえも、表情が歪む...
其ほど、充満している臭いは血に近かった

中也「19.20.21.22.23.24.25」

そこまで数えると、焼却炉にドラム缶を蹴り入れた。急いで蓋を閉める。3人とも、顔色がよくない。それは誰が見ても一目瞭然だった。

中也「…俺らの仕事は、終わりだ。戻るぞ」
太宰「あぁ、そうだね」
芥川「っ...っ......」

芥川には刺激がキツかったようで、死んだ仲間を思ってか、涙を流している

キィ...

森「お疲れ様。大丈夫かい?」
中也「えぇ。Aの命令通り、薬は処分しました」
森「そうか、では早速だが作戦を伝えよう」

手順はこうだ。
まず梶井の檸檬型爆弾を上から投げ込む。
このときAが傷付かないように梶井本人が抱き付いて守るらしい。

次に、視界不良になってる所に芥川の羅生門。
これで敵の大半の戦力は削げる算段だ。

その後、視界が晴れ次第各自の暴れて良い、と云うことに成っているらしい。

敵が全滅したところで、Aを連れて帰る。
以上が作戦らしい

…梶井が抱き付くのが不服だが、致し方無いか...

行くのは太宰、中也、芥川、梶井、紅葉。
それに加え各々の部下達だと云うことだ。

時計を見ると、約束の時間の45分前。
ここから廃工場までは車で凡そ10分程度...
混んでいなければ、の話だが。

森「私がいけないのは心外だが、好きなだけ暴れてくれ給え。」
「「「「「はっ!」」」」」

中也「(A...もう少しだけ、待ってろよ)」

<13>ー先生喪失編6ー→←<11>ー先生喪失編4ー



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (60 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
79人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:仮面の少年 x他1人 | 作成日時:2016年3月8日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。