侍の国で鬼達と暮らします(三)【鬼滅の刃】【銀魂】

百六十三：鬼は鬼でも立派な親 ページ30

道信「宝に触れぬ限り、鬼は手を出しませんよ。あの子達を護るためなら何でもやりますがね」


猗窩座「そうか、よく分かった。お前は鬼じゃなくて立派な人の親だな」



突然口を開いて予想外の言葉を口にした猗窩座にちょっとびっくりした。


まぁ、言ってることは間違っていないと思うけれど。



道信「汚い金で子を育てて立派な親と言えますか」

銀時「でも今は悔やんでるんだろう？」


道信「最初は子供を拾ったことだって慈悲だとかそういう美しい心からではなかった。心に、もたげた自分の心の罪悪感を少しでも拭いたかっただけなんだ」


銀時「…そんなものだけでやっていけるほど、子を育てることはヤワじゃねーよ。なァ、クソガキ」



小さな子供を抱き上げて遊んでやってる銀時。


確かに、そんな事だけで子を育てられるのなら子を手放す親などいないし、親に見放される子もいない。結局のところ道信さんはたとえ汚れても立派な親なのだ。


というか、あれっ。新八くんどこ行った？



子供「先生コレ！どう、似合う？ねェ、聞いてる？」


猗窩座「ちょっと目を離したら何されてるんだアイツ」

『子供あるあるね』



眼鏡を奪われている新八君がちょっと面白くてクスッと笑っちゃった。それを猗窩座がバッと見てきた咳払いをして目をそらす。笑っちゃ悪いか。



猗窩座「お前、ちゃんと笑えるのか」

『馬鹿にしてんのか』


子供「先生？先生どうしたの!?オイ、お前ら！先生に何言った！いじめたら許さねーぞ」

銀時「そいつァすまなかった」


『何、帰んの？』



子供の額に名刺を貼り付けて歩いていく銀時に、帰るのかと察すると私も立ち上がり帰ることにした。あまり遅くなると無惨に何を言われることか。



『なんかあったら、かぶき町の薬屋に来てくれたら話ぐらいは乗りますよ。それじゃ、お気をつけて』



子供達に囲まれている童磨に声をかけて銀時達万屋組の後を追うように廃寺を後にした。ちょっと、後ろ髪引かれる気持ちはあるけれど。

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