侍の国で鬼達と暮らします(二)【鬼滅の刃】【銀魂】

百十五：今どき仇討ちなんて流行るわけない ページ28

無惨「……おい、誰なんだこの男は」


『…アンタに、関係ない……』


無惨「なっ…………おい、冷や汗が酷いぞお前」



無惨に言われてやっと気がついた。


今の私は後から後から冷や汗が頬を流れて、寒くもないのに背筋がゾクゾクする…


私、何を怖がっているんだろう…



高杉「ククク…情けねェじゃあねェか…不死だなんだで謳われてた奴がたかが幼馴染にあったくれぇで顔面蒼白たァな…」


『五月蝿いわね……過激派の中でも有名な奴が現れたら…そりゃ幼馴染でも蒼白するよ』


高杉「肝っ玉のちいせぇ奴だ…何だ？直感か？……殺されるかもしれねぇって…思ってんのか？」


『……ッ』



最後の一言で体が強ばるのが、自分でも分かった。


そして、後ろにいた黒死牟と無惨からはやや殺気に似た何かが出ているのが分かる。



『……抑えて。無惨、黒死牟』


黒死牟「だが……」

『抑えて』


高杉「安心しなァ……今は(・・)手出ししねぇよ」



今は？


それじゃ、まるで後々私を殺しに来るって言ってるようなもんじゃん…


何で、今になって…仇討ちでもやろうっての？



『…この御時世、仇討ちなんて流行らないよ』


高杉「どうだかなァ…？そりゃあ分かんねぇぞ」


『………アンタに私は殺せない』


高杉「……クククッ…知ってらァ、んな事ァ…だが…これからもそうとは限らない」



｢せいぜい今の人生楽しんどけよ｣と言い残すと高杉は人混みの中へその身を消した。



間違いない、アイツは



私を殺すつもりなんだ……。



未だにやかましく鼓動する心臓の位置を着物の上からギュッと握り、冷や汗を流している自分が未だに信じられない。


私はここまで死ぬのが怖いんだ…


何でここまで怖いんだろう…


きっとそれは、何の関係もない無惨達まで死ぬ事になるからだ…きっとそうだ。



無惨「おい女……おい！」


『…何よ』


無惨「どうやら、大事になりそうだぞ」



まだじっとりと寒気がまとわりつくような感じを払拭してから、無惨の指し示す方向を見る。


将軍の特等席に何かが撃ち込まれたらしい…恐らく煙幕だ。


だから私の横を私にぶつかりながら、祭りに来ていた人が逃げ惑っていたのか…高杉もあの舞台の方向から来たということは…


高杉の差し金か、高杉に唆されたか…



『……いよいよ祭りって感じじゃないわね…』


無惨「…どうするつもりだ？」


『決まってんでしょ…………祭りを祭りじゃなくした馬鹿見に行くわよ』

百十六：祭りを邪魔する悪い子だーーれだ→←百十四：思いもよらない再会は心臓に悪い

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