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断罪の結果 ページ9

あるということを。」

『…父様…いらしていたのですか。お声くらい、かけていただければ良かったですのに。』

そういうのがやっとだった。現実を直視したくは無くて。嘘だと思いたかった。灯油達と…天才MIX師と呼ばれる…あの世界に。

あの、日常という…平和な世界に…

でもそれはもう無理な事で。1度黒を身に纏い、1度断罪の時間を行ってしまえば…もう、あの世界には、戻れない。

それでも…戻りたかった。あの時と同じだった。前も、同じ様なことが起こった。俺が…いや、私が…怒りのままに、断罪の時間を…

行ってしまった…か…ら…

「言いたいことは解っているつもりだ。要は、この世界に引き込みたくない奴らがいたのだろう?」

父がそう問いかけてくる。右手には、ワルサーPPKが握られ…左手には、ショットガンを携えて。

俺は、どう答えて良いものか、迷った。でも…

俺は…灯油達を…この世界には、引き込みたくないんだよ…!

『えぇ。そうですわ。お父様。この世界に…引き込みたくない。触れさせたくもない潔白な奴らが…

いたのですわ。ですけれど…』

そこで1度言葉を切り、もうこの世にはいない、奴にちらりと一瞥した。

そして…言葉を続ける。

『此奴は引き込もうとした。触れさせようとした。だから、私は此奴を断罪した。もう私があの平和な世界に戻れなくなったとしても…

それ程までに、守りたい奴らが。あの世界で…!っ!?』

急いで顔を横にずらす。ピシュンッ!と音を立てながら、自分の背後の壁に何かが刺さる。父様の方へ…視線を向ける…

「お前には…失望をしたよ…ネットで活動することは愚か、あの世界で大事な奴を作るとは…」

ワルサーPPKを構えた父様がそこにはいた。少し、微かに頬に痛みを感じる。

…掠った…な。これは。

『父様としては、私を連れ戻したいのでしょう?だったら、従ってあげますわ。私はここに、宣言を致しますわ。

私…神無月蘭は、父様の求めに従い、本部へと…戻りますわ。そして、戻りますわ。穢れた世界に。』

「ふ…流石、俺の娘だな。達観している。良いだろう。戻ってこい。この…貴族界に。そして、働くと良い。俺の…忠実な娘としてな。」

いけ高々と父様は笑う。俺は…いえ、私も、嗤ってみせる。自分を嘲笑う。

そして…父様に連れられ…神無月家へと…戻らざるを得なかった。

戻りたくはなかった。断罪の時間を恙無く終え、家に帰るつもりだった。




のに…

在りし日の日常→←断罪の瞬間



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カンナ(プロフ) - どっちもきになりますがハッピーエンドが見たいです!!。ただもし余裕があるのなら分岐点を作ってハッピーバッドどちらも書くのがいいかと思います(自分がどっちのエンドも気になってるだけですすみません;)これからも更新楽しみにしています。頑張ってください^^ (2014年5月17日 14時) (レス) id: 86dbfd6970 (このIDを非表示/違反報告)
persepone(プロフ) - ハッピーエンドでお願いします!! (2014年5月17日 4時) (携帯から) (レス) id: 289cdd45b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鋳薔薇 | 作成日時:2014年1月1日 15時

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