107 O side ページ17
力尽きちゃったかな。
……そりゃそうか。
あれだけのファータを統制することも出来ず彼らの望むがままにチカラを与えたんだ。
いくら強大なチカラを持った精霊遣いだと言えども限界がある。
全てが終わった部屋の中は再び暗闇と静寂に包まれていて。
今この場所で意識があるのは俺と……唯一の光の根源である雪のファータ。
何の感情をも表していないその鋭い瞳が俺の方を向き、何者だと言わんばかりにさらにその眼力を強める。
普段なら、あの光の精霊が新参者に周囲の状況をすぐに教え込むのだけれど。
生まれたばかりの彼女はまだ自分を取り巻く周囲の環境も、主人となる男の生態も知らない。
「初めまして。雪のファータ」
『……誰』
彼女の浮かべている冷徹な表情に見合う、感情の含まないその声。
カズの持っているファータたちは何だかんだ心が優しい子が多く、ぶっきらぼうな言い方をする奴でも性根は良かったりするのだが。
こんなファータもいるのかと思わず目を見張る。
「大野智。詳しくは後で聞いておいて。ねぇ、お前はなんでカズの中に戻らないの？」
『命じられていないから。マスターに従う。それが私の役目』
「なるほどね……でも、その子しばらく起きないと思うよ？」
チラリと床に寝そべっているカズに視線を向けた彼女は。
何事も無かったかのように俺の方へと瞳を向けると、だから何だと言わんばかりに睨み付けてくる。
光のファータも、カズがくたばってしまっている今。
いくら最も信頼され、消費するチカラが少ないとは言えど、体調の悪化を恐れて外へ出てくることが出来ないんだろう。
「このままずっと待つつもり？俺はその子を連れて帰るよ」
『なら、着いていく』
「そっか」
辺りに転がっている男達の記憶の消去は既に終わっている。
後は機関で何とかするはずだ。俺には関係の無いこと。
邪魔な奴らを足蹴にし、華奢な体を抱え上げて。
辺りに結晶を侍らしながら着いてくる彼女と共に、闇の中を走り抜けた。
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まぁや(プロフ) - くみさん» くみ様のお言葉が大野さんまで届きますよう…。そんな風に思って下さっていて嬉しいです！これからも楽しんで頂けますよう頑張ります!! (2014年5月11日 23時) (
レス) id: a8436af674 (このIDを非表示/違反報告)
まぁや(プロフ) - ツバサさん» ありがとうございます！嬉しいです^^ 少し危ないｶﾝｹｲ…どこまで堕ちて行ってしまうのか。救い出してくれることを祈るばかりですね…！ (2014年5月11日 23時) (レス) id: a8436af674 (このIDを非表示/違反報告)
まぁや(プロフ) - ままさん» そうですね。そう願うばかりです……が……その辺りを楽しみにして頂けたらと思います！ (2014年5月11日 23時) (レス) id: a8436af674 (このIDを非表示/違反報告)
まぁや(プロフ) - ワカツキさん» 大野さんがついに動き出しちゃいました…！ (2014年5月11日 23時) (レス) id: a8436af674 (このIDを非表示/違反報告)
くみ - 大野さん、美しい松本さんを見つけたからまさか二宮さんは用済みとか言わないでね！相葉さん、二宮さんのピンチを救ってあげて下さい！と、いつも感情移入しながら見ています。更新、楽しみにしています！ (2014年5月11日 4時) (携帯から) (レス) id: d6906b49f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まぁや
作成日時：2014年4月24日 18時
