19 N side ページ19
妖精使いの中でも、タイプは色々とあるらしいけれど。
自らの元に置いておける妖精の数が多ければ多いほど、持っているチカラが強大だということらしい。
許容範囲を超えてもまだ欲を出した場合、その能力者の体は妖精の持つチカラによって狂わされてしまうと言うが。
結構な数を保有しているのにまだ俺の体には何の変化も無い。
「行くよ……夜になったらね」
『私の出番ですか？』
「まだ分からない。行ってみないと」
足をブラブラとさせながら、不安げに俺の顔を見上げてくるクリクリとした瞳。
頭の上の大きな真っ白のフリル付きのリボンが首を傾げるのと同時に、ふわりと揺れた。
心優しいこのファータは、いつも俺のことをこうやって心配してくれる。
保有している妖精のチカラであれば、いつだって使える言わばオールマイティーの状態で。
普段使用するチカラに光を選んだのは、彼女が最も俺の体質に合い体力消費が少ないからだ。
それは、生まれ持った能力だったからかもしれないし。
最初に俺の前に現れ、妖精使いとしての知識を教えてくれた家族のような存在だったからかもしれない。
ともかく、こんな状況に陥った俺が壊れずにいられるのは、間違いなく彼女のおかげだと思う。
『あまり無理しないで下さいね？皆も心配しています。仕事の頻度が増えていませんか？』
「それは、あの人に言ってよ」
薄い眉をクイと下げて、困った表情を浮かべた彼女の言いたいことは分かるし、俺だって断って休みたい気持ちは十分にある。
けれど、あの人の命令に背けばどうなるのか考えただけでも恐ろしいんだ。
所詮、俺はあの人の操り人形。
人形の最も恐れていることは、持ち主に捨てられてしまうことだ。
待ち受けているのは暗い闇。ゴミと化したそれに人は興味を持たない。
「あの人無しで……俺は、生きられない」
血のように赤かった空は、いつしか漆黒の割合が増していて。
ほんの少しだけ木々の隙間から漏れている陽の光は、風前の灯火。
俺みたいだ……。
闇に浸食されていく色彩を目に留めながら、ふとそんなことを考えた。
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まぁや(プロフ) - 天和さん» こんばんは！ついに1章の間に紫さんが登場することは適わず…(失笑) 出会いをとくに慎重に書きたいが為の策です、ご了承下さいませ…。精霊さんとニノさんの間にある信頼関係、感じ取って頂けましたでしょうか？2章もぜひぜひ！楽しみにして頂けると嬉しいです^^ (2014年4月5日 20時) (
レス) id: a8436af674 (このIDを非表示/違反報告)
天和(プロフ) - まぁやさんこんばんは(^o^)/全く現れないじゅんくんに、こちらまでドキドキです(笑)にのちゃんの精霊？さん、どうしたんでしょう。たくさんの思いが交差してますね…続き、楽しみにしてます！ (2014年4月3日 23時) (レス) id: c779d7d0d2 (このIDを非表示/違反報告)
まぁや(プロフ) - 和希さん» 初めまして！コメントして下さりありがとうございます！二宮さんは担当様ということもあり、特に気をつけて書いてるので、そう言って頂けて本当に嬉しいです^^ 和希さまに楽しんで頂けるよう頑張りますね！ (2014年3月26日 23時) (レス) id: a8436af674 (このIDを非表示/違反報告)
まぁや(プロフ) - あびさん» ありがとうございます！気に入って頂けて嬉しい限りです(*^^*)さすがあび様！観察眼が鋭くていらっしゃいますね(笑)その通り、今回最も活躍するのは頭脳明晰なあの方だと思ってます♪ (2014年3月26日 23時) (レス) id: a8436af674 (このIDを非表示/違反報告)
和希 - 初めまして！以前から、まぁやさんが書く二宮さんはとても綺麗で大好きでファンでした！！続き楽しみに待ってます！ (2014年3月26日 14時) (レス) id: ece69d2262 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まぁや
作成日時：2014年3月19日 20時
