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私の目の前でコーヒーを飲んでいるこの男、ミンユンギのせいで私は朝から機嫌が悪い。
「いつまで拗ねてんだよ」
事の経緯は昨日の夜にまで遡る。
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「じゃあ俺寝るわ」
「まって、どこで寝る気?」
「ベット」
「私は?」
「ソファで十分だろ」
家主私だぞ?
「私明日も仕事」
「俺は明日も犯罪」
そう言い残した彼は寝室に消えた。
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「体痛い」
「ソファから落ちて床で寝てるお前が悪い」
その通りだ。
朝目が覚めたら私は床の上にいた。
うんうん唸る私を見かねてか、神の一声が降りかかる。
「しょうがないから今日は会社まで送ってやるよ」
「でも外出てもいいの?」
「なんでだめなんだよ」
えっ、犯罪者なんだよね?自覚ないの?
ブツブツ言う私に椅子から立ち上がった彼は用意できたら言えよと言い残し、また寝室に消えた。
「…また寝るの?」
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「ありがとう」
彼は言った通り私を会社の前まで送ってくれた。
「帰りは歩けよ」
「え」
「じゃあな」
帰りも迎えにきてくれるとばかり思っていた私はまさかの発言にその場に立ち尽くす。
「A〜今の彼氏?」
「おはようテヒョン」
「うん!」
おはようには普通ならおはようと返ってくるものだがこの男にはそんなもの通用しないので先程の質問も軽く流す。
「早く行こう」
「うん!」
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「あれ?Aとテヒョン一緒に来たの?」
「エントランスでね〜偶然会った!そうだ、A!車運転してた男の人誰!彼氏?」
「彼氏!?」
思い出すな、忘れておけ。
「違うよ」
「ねージミナー今日のお昼は何食べる?」
聞けよ。
この失礼な男キムテヒョンと、そのテヒョンに絡まれている男パクジミンとは大学時代からの腐れ縁だ。
「「Aは何食べる?」」
「…オムライス」
「「じゃあ俺/僕も〜」」
なんだかんだ私たちは仲が良い。
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作者名:凛月 | 作成日時:2017年4月26日 0時