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「そうですよね、不法侵入罪」
そう言いながら部屋の電気をつけると犯罪者と名乗る男性は眩しいのか目を細めた。
「それじゃなくて…まあそれも追加されましたけど」
そう話す彼はにこやなか顔でこちらを向き私に握手を求める。
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「しばらくの間、僕をかくまってください」
「お断りします」
差し出された右手を視界に入れながら近くのソファに座る。
「あと、」
「その話し方いつまで続けるつもりですか?」
それを聞いた彼は出していた右手で頭をかき今まで貼り付けていた笑顔からダルそうな顔になるとこちらを見て鼻で笑い椅子に深く座り直した。
「いつから気づいた」
「割と最初から。ぎこちなかったので」
そう言うと彼は喉を鳴らすように笑った。
「俺もまだまだだな」
「お前、気に入った。俺をかくまえ」
「だから__」
「これは お願いじゃない、命令だ」
「___断ったら?」
「さあ?」
そう言う彼はニヒルな笑みを浮かべる。
「じゃあ私の命令も聞いてください」
「内容による」
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「捕まるまでここにいて私を楽しませてください」
私がそう言うと彼はニヤリと笑い、先ほど引っ込めた右手をもう一度出した。
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「交渉成立。
よろしくA」
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作者名:凛月 | 作成日時:2017年4月26日 0時