【リボーン】華蝶風月【男主】

人生は吠える ページ15

完全な廃墟。


なんとなく感じた虚無感を、ページを捲るごとに過去の事にしていく。


「命ー、腹へらねーびょん？」

「……減らない。」


犬に話しかけられても、目線は本に向けたまま。


紅と藍の両目には頭が痛くなるほどの羅列が浮かんでいた。



「命ちゃん！買い物行きましょうよ！」

「……いかない。」


M.Mからの呼びかけにも、否定を返した。


「あんまり動かないと、コケ生えちゃうわよ？」

「命からは紙が生えそうだびょん……おえ。」


二人の会話には、言葉を返しもしない。



腹が減ったなら、何か食べればいいさ。
買い物は自由に行ってらっしゃい。


何でも複数人でやりたがったりするのも
人間の悪い所だと思う。








直す気は毛頭無いのだが。






自分1人が直した所で、世界は変わらない。
どうせやるなら歴史から推敲し直さなければならない。



それはあまりにもハイリスクだ。


失われる物が多すぎる。









脳内で何重にも絡み合う思考。

それでも、その目には羅列が規則的に並んでいた。









過ぎたるは及ばざるが如し。

退廃に傾くのも如何なものかと言うが
考えすぎもまた然り。


そうして思考も増えていく。








普段何気なく過ごす日々を推敲するのは疲れるものだ。

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