男前オカンな彼氏が優秀すぎる。【岩泉一】 (ページ4)

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3話ページ4

うちの美術部は、作品を《より良いもの》にするために結構遅くまで残って作業することもある。

その時は朱莉は車で帰ってるから、私ははじめと帰れるの。

バレー部はほぼ毎日遅いもんね。

今日は残ってたから、いっしょに帰れる！ということで今ははじめを待っているとこ。

もう大分暗いな～。

はじめはすごいよね。

毎日のようにこんな遅くまで練習してるのに、毎朝早起きして元気に学校に来て、私の世話焼いたりも
して。

私なんか、朝起きるのははじめに比べて遅いし、はじめに世話されっぱなしで。

……大丈夫なのかな。

はじめの彼女として生活して、いいんだろうか。

…………ちょっとだけ、不安になっちゃうな。

岩「お、いた。A！」

『…………はじめ？』

いつもと変わらず、笑って接してくれる。

岩「…？ちょっと元気ねぇな…どうした？」

…ねぇ、じゃあさ、

『いいの？』

岩「は？」

『はじめは、私といっしょにいてもいいの？

　私はいっつもはじめに世話焼かれてて、彼女らしいこととか、してないし。

　本当にそれでも……近くにいてくれるの？』

岩「……バーカ。」

え？？

岩「なんだ、そんなくだんねーことかよ。風邪ひいたとか思ったじゃねーか。」

『くだんないってなんで……』

岩「世話焼いたりだとかそんなの、俺が勝手にしてることだべや。

　近くにいるのも、俺がAを好きだからな。飽きずに隣にいてくれるだけでも十分だ。

　彼女らしいことだとか、俺は別にいい。

　本気で好きなら、細けぇ気にせずに、気楽にしてくれよ。」

え……？

『いいの？こんな性格でも。迷惑かけちゃうような危なっかしい人間だよ。』

岩「少なくとも迷惑とは思わねーよ。」

……やったぁ！

こんな性格でも、はじめは好きでいてくれる。

はじめの隣にいられるんだ！

嬉しくなって顔を上げると、はじめは少し照れくさそうに、優しく笑った。

つられて私も笑うと、頭を撫でてくれた。

『ありがと。』

岩「おう。ほら帰るぞ。」

『ふふ、は～い。』

〘〇月△日
　今日は、はじめの男前がすごかった。
　かっこよかったな～。〙