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間近で見た彼女はとてもキラキラしてた。何がって、全部が。まるで魔法でもかかってるかのようにキラキラして見えた。ニコニコと笑みを浮かべており、その笑顔をずっと見ていたい――そう、思えた。
「も、森友哉です! ポジションはキャッチャーです! よろしくお願いします!」
「ちょ、新人紹介の挨拶みたいになってるから!」
テンパリすぎて、つい数年前までしていた新人のような挨拶をしてしまう。恥ずかしい。彼女は、きょとりとした後、面白そうにくすくす笑った。
『西園寺Aです。よろしくね、森くん』
A、Aさん。何て素敵な響きなんや、笑う姿も可愛い。完全なる俺の一目惚れやった。この日から、俺の部屋に花が飾られるようになった事はここだけの話である。
『嗚呼、可愛かったぁぁ…….』
「Aちゃん良かったわねー。ずっと森くんのファンだったもんね」
『うん。ヤンチャな所も、野球となると真剣な眼差しでカッコよくなるところも大好きなんです。そして、あの笑顔!! 尊い!!!』
「う、うん。おちついてAちゃん」
『どうせ死ぬなら、森くんのお尻に埋もれて死にたい!!!』
「……いや、それはちょっと」
なんて会話をAさんと山川さんの奥さんがしてるなんて、この時の俺が知るわけがないのである。
to be next
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作者名:ペリー | 作成日時:2020年9月3日 5時