Jr.EXILE ~ short story ~

Ryusei.K _ カップル ページ10

「流星なんて大っ嫌い！！」



思ってもいない言葉が無意識に出て、家から飛び出してきた。



いつもと変わらない口喧嘩だったのに、今日は今までにないくらいの大喧嘩になってしまった。




素直になれない自分への悔しさと本当は大好きな流星と大喧嘩をしてしまった悲しみに自然と涙が溢れてくる。




それでも今更家に帰るなんて出来なくて、泣きながら夜の街を歩き続けた。




もう自分がどこまで歩いてきたのかもわからない。





『お姉さん泣いてるの？良かったら俺らが話し聞くよ？』




『ほら、あっちいこ？』






突然話しかけてきた若い男2人が私の腕を掴んで路地裏に連れて行こうとする。






「やっ…はなしてっ…助けてっ…っ」





2人の男の力に私の力でかなうわけもなく、あっという間に引きづられていく。




「やっ…！！」





もうだめだ、と思ったその時、私の手を引っ張る男のうちの1人の身体が横に飛んだ。





『俺の女に手出してんじゃねぇよ』





そこには今まで見たことがないほどの怖い顔で男たちをにらんでいる流星が立っていた。





流星の気迫に負けて男たちは走って逃げていく。






「りゅうせっ…グスッ…」





『A…ごめん、怖かったよな、』





流星に強く優しく抱きしめられて、緊張の糸が切れたように涙がボロボロと溢れてくる。




私が泣き止むまで抱きしめたままずっと背中をさすって安心させてくれた。





『ほんとにごめん…』




「私の方こそごめんなさいっ…大嫌いなんて言ってしまって」




『仲直り出来たことやし、アイスでも買って帰ろっか』





手を繋いで流星と帰る道はとても楽しくて、わたしには流星しかいないんだなと思った。

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