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翌日。

帰りのホームルームが終わった瞬間、私は荷物を持ち勢い良く立ち上がった。

また明日ね、と声をかけてくれるクラスメイトに そこそこに返事を返し
教室を飛び出す。


今日は、インハイメンバーを決めるレースの日だ。


急いで女子更衣室に駆け込み、今までにないスピードでジャージに着替え
髪を一つにまとめる。


そして部室の扉に手をかけた。





「2年、A入ります!」





若干息切れしながら扉を開けると、そこには3年の先輩方の姿しか見えない。






「おぉ、早いなA」

「ほかの奴らはまだ着替えてるぞ」





新開さんと東堂さんの言葉を聞き、少し力が抜ける。

そりゃそうだ、ホームルームが終わってからすぐだなんて、そんな早くレースは始まらないか。





「はぁっ……へへ、走ってきちゃいました」

「うむ。部活に対する姿勢がいいな」

「今日はレースだから…」

「あぁ、部の話題は今それで持ち切りだな。なぁ寿一」

「そうだな」





表情一つ変えずに頷く福富さん。

私は、レースに備えての準備をする。
ドリンク作って…あぁ、今日は暑いから濡れたタオルも車に積まなきゃ。



真波くんと黒田くんのレースの時、私は先輩方と一緒に車に乗り、レースを見届ける。

私はマネージャーとして、レースの記録をし、終了時にはドリンクとタオルを渡す…などなど。



2人のレースを間近で見届けられる。




だから今日、私は一日緊張していた。





「2年、黒田入ります」






がら、という音とともに 黒田くんの声が聞こえた。

扉のほうを見れば、そこにはいつもより表情の硬い黒田くん。


緊張、してるのかな…。





「黒田ァ!んだその顔」




部室内に響く声。

ずかずか、と足音を立てて 黒田くんに近づく荒北さんは、ぽん、と黒田くんの右肩に手を置く。





「やるだけやれ。余計なこと考えてンじゃねェよ、バァカ」

「…っ、はい!」





荒北さんの言葉で、黒田くんは少し力の抜けたような表情になる。

黒田くんが緊張してるのを見て、それが軽くできたらって思ったのかな。



荒北さんの優しさを垣間見て、ゆるゆると口角が上がる。




あぁ、私は荒北さんのこういうところが好き。






「1年、真波入りまーす」






黒田くんの後ろの扉が開き、そこにいたのは

いつも通り、飄々としてる笑顔の真波くんだった。

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設定タグ:弱虫ペダル , 真波山岳 , 弱ペダ   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - さゆりん★さん» ご愛読と応援ありがとうございます!展開が気になる、と仰って頂けると、どう書こうかなぁ、と先を書くのが楽しみになります。荒北さん素敵ですよね、今度荒北さんの小説書こうかなぁ…。キャラの性格と言葉は気を使っているので着目して頂けたのが嬉しいです(^^♪ (2019年6月11日 21時) (レス) id: b8ab658ad3 (このIDを非表示/違反報告)
さゆりん★(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです!!いつの間にか次ボタン押していて、一気に読んでました… 展開がものすごく気になります!!真波くんは可愛いけど、私はちょい荒北押しかも… キャラの性格も言い方ぴったりすぎて、普通に声優さんの声が聞こえます (笑) 応援しています!! (2019年6月11日 13時) (レス) id: 269cb7a691 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 陽愛さん» 初めまして、ご愛読と応援ありがとうございます(#^^#)評価ももちろん嬉しいですが、こうしてコメントを頂けることが何よりも嬉しいです!陽愛様のコメントが私の創作意欲を掻き立ててくださいます(*'▽')これからもよろしくお願いします! (2019年6月5日 8時) (レス) id: b8ab658ad3 (このIDを非表示/違反報告)
陽愛 - 初めまして!いつも楽しみに読んでいます(^^)高評価が何度も押せればいいのですが(>_<)これからも応援しています! (2019年6月4日 22時) (レス) id: 99136d3c89 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年5月12日 11時

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