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『ははっ、そうだね……うん。頑張るよ、…誰よりも頑張る。』
「頑張りすぎはだめよ?何よりもAの健康が第一なんだからね、自分の体を壊してまで叶える夢なんかこの世にひとつもないんだから」
『……うん』
「もう……何弱気な声出してるの。大丈夫。
心配することなんかないじゃない。
これまでずっと頑張ってきたじゃない!
Aの頑張りはAの次にママが分かってるんだから。誰かにいじめられたらママに言いなさい?すぐに懲らしめてあげるから」
『ふふ、母さん僕もう20だよ。』
「まだまだ20。ママはいつでもAの味方だからね。
胸張りなさい。そして、頑張って、楽しんで、悔いなくやってきなさい。」
『…………うん』
母の強く優しい言葉に胸がいっぱいになる
「…」
「…………A
辛かったら帰ってきていいんだからね。ママの言葉なんか気にしないで、そのときは帰ってきなさいね。」
きっと電話がかかってきた時から全てをわかっていたであろう母さんの言葉に思わず頬が濡れる
僕なんかよりもずっとずっと大変だし辛い思いもあるはずなのに
それでも僕を1番に考えてくれる母さん
それがどれだけ心強いことか……わかっていたつもりだけど、きっと理解しきれてなかったのだろう
僕は溢れそうになる涙をグッと堪える
僕が弱気になってどうするんだ
これは僕だけの挑戦じゃない
『………………ううん、帰らない
僕、韓国から帰れなくなるように頑張る、それでいつか母さんが、毎日お化粧して外に出なきゃいけないぐらい有名になる』
「……え?ふふっもう……今からエステに行っといた方がいい??」
『ふふ!そうしてもらえると嬉しいな』
頑張ろう
僕だけじゃない
全ての人への恩返しのために
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作者名:えのもと | 作成日時:2023年3月19日 14時