夜空の星になれたなら【男主】 (ページ35)

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そう話すジウンさんはさっきの表情とは違い、少しだけ柔らかく笑った

“冷たく見える”その言葉にハッとする
僕もよく取っ付きにくいって言われちゃうから、人を見た目で判断しないようにしてたのに、今回は僕が同じことをしてしまったようだった

『ヤ…あの………ごめんなさい…』
「アニアニㅎㅎㅎヒョンが悪い」
「うん、ヒョンが悪い男だった。ごめんなA」

そう言って頭をポンポンと撫でるジウンさん
僕に兄弟はいないけど、お兄ちゃんがいたらこういう風なのかな、と思うほどに優しい声

頭を撫でていた手をするりと襟足へと下げ、ゆっくりと手が離していくジウンさん
綺麗で澄んだ瞳が僕を見つめ、血色のいい綺麗な形の口が少しだけ開いていく

まるでドラマのような光景

『…』
「？どした？」
『……なんだかジウンさんに見つめられると緊張しちゃいます』
「ヒョンでいいよ。そう？どうして？」
『かっこいいし、すごくセクシーだから…
なんだかドラマのヒロインになった気分です』
「ㅎㅎㅎㅎ」

ジウニヒョンは僕を見て少し笑ったあと、長い足で距離を縮めれば、僕の頬を大きな手でぐにっと掴む

「A、やっぱり可愛いね、
……………捕まえちゃいたい」
『………へ、！』

そう見つめるジウニヒョンの目からゆっくりとハイライトが消えていく
さっきまでの優しいお兄ちゃんはいつの間にか姿を消し、僕はまるで“大きなトラに見つめられた草食動物”

後ろに壁なんかないし、逃げようと思えばいつでも逃げられる強さで掴んでる
なのに僕は何も言えずただ固まることしかできなかった

「ふは、捕まっちゃったね」

何故か“食べられる”と
危険信号が点滅した

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